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ペルシア帝国と小アジア

ヘレニズム以前の社会と文化

阿部 拓児

A5上製・320頁

ISBN: 9784876985487

発行年月: 2015/01

  • 本体: 4,800円(税込 5,280円
  • 在庫あり
 
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内容

アカイメネス朝ペルシアに関しては、圧倒的多数の歴史資料がギリシア語文献によって占められているが、様々なバイアスが含まれており、ペルシア人に対する蔑視が共通して見られる。本書は従来のギリシア語文献を改めて読み直し、あわせて現存する古代ペルシアのリュディア語、カリア語の碑文を援用しながら、当時の社会と文化の本質にせまる。

書評

『西洋史学』2015 No.259、61-62頁、評者:中井義明氏
『洛北史学』第18号(2016)、108-113頁、評者:川瀬豊子氏
『オリエント』第59巻 第1号(2016)、74-76頁、評者:三津間康幸氏

プロフィール

阿部 拓児(あべ たくじ)
京都府立大学文学部歴史学科准教授
1978年 愛知県生まれ
2008年 京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了
日本学術振興会海外特別研究員(リヴァプール大学・ライデン大学)を経て、現職。京都大学博士(文学)。

主な著書
『人文学への接近法――西洋史を学ぶ』(共著、京都大学学術出版会)
Memory of the Past and Its Utility: Nation, State, Society and Identity(共著、Scienze e Lettere)

目次

序 章
  本書の課題
  先行研究の回顧と本書の立場
  人名研究と二言語併用文化
  [補節]時代の概観
第一章 ペルシア帝国期小アジアの「首都」サルデイス
  はじめに
  都市サルデイス
  ギリシア語碑文の分析
  リュディア語碑文の分析
  おわりに
第二章 第二の総督区「首都」ダスキュレイオン
  はじめに
  ダスキュレイオンの都市景観
  封泥の分析
  おわりに
第三章 小アジアの辺境リュキア
  はじめに
  リュキア研究の歴史と史料状況の整理
  リュキアにおける神格の移入
  二言語碑文と擬似二言語碑文
  外国人の入植状況
  おわりに
第四章 カリアとヘカトムノス朝
  はじめに
  先行研究の整理と考察の指標
  ラブラウンダ聖域の整備
  前五世紀のハリカルナッソス
  ヘカトムノス朝によるハリカルナッソスの都市計画
  おわりに
第五章 ヘロドトス時代のハリカルナッソスの言語状況
  はじめに
  ハリカルナッソスにおけるイオニア方言
  ハリカルナッソスにおけるカリア語
  ギリシア語とカリア語の相互作用
  おわりに
第六章 キュプロス島とサラミス王エウアゴラス
  はじめに
  イソクラテス作、頌詞『エウアゴラス』の分析
  イダリオン青銅板碑文とペルシア帝国=フェニキア人同盟
  ギリシア人とフェニキア人の文化的対立論再考
  エウアゴラスとギリシア文字の浸透
  おわりに
終 章

あとがき
初出一覧
参考文献
略号一覧
索引(人名・事項)
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