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法の支配と対話の哲学

プラトン対話篇『法律』の研究

丸橋 裕

A5上製・482頁

ISBN: 9784814000715

発行年月: 2017/02

  • 本体: 5,400円(税込 5,940円
  • 在庫あり
 
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プロフィール

丸橋 裕(まるはし ゆたか)
兵庫県立大学看護学部教授
大阪府生まれ
埼玉大学教養学部教養学科ドイツ文学・言語コース卒業、京都大学大学院文学研究科博士課程哲学専攻(西洋哲学史)認定退学 京都大学博士(文学)
2006年より 神戸大学、関西大学、関西学院大学などの非常勤講師を経て現職

主な著訳書
『西洋哲学史㈵』(共著、講談社)、『プラトンを学ぶ人のために』(共著、世界思想社)、『ワーグナー事典』(共著、東京書籍)、『〈生と死〉日独文化研究所シンポジウム』(共著、こぶし書房)、『ソクラテス以前哲学者断片集』(共訳、岩波書店)、プルタルコス『モラリア5』(訳、京都大学学術出版会)、『アリストテレス全集13 問題集』(共訳、岩波書店)

目次

まえがき

序章 プラトン対話篇『法律』をどう読むか
  一 『法律』研究の意義
  二 プラトン政治哲学の統一性を求めて
  三 『法律』の全体構成
  四 本書の構図

第一章 プラトンの政治哲学とソクラテスの精神
  一 古代アテナイにおける「法の支配」
  二 『クリトン』におけるソクラテスの「国法」との対話
  三 「法の支配」と民主制の理念
  四 「法の支配」とプラトン哲学の課題

第二章 行為のアイティアーについて
  はじめに
  一 『プロタゴラス』のソクラテスによるアクラシアー批判
  二 行為のアイティアーとしての「市民的な徳」とその限界
  三 『国家』における魂の三区分説導入の意義
  四 行為のアイティアーとしての「真実の徳」
  五 展望——『法律』におけるアクラシアーとその克服

第三章 哲学はなぜ現実に対して力をもちうるのか
  一 哲人統治論を根拠づけるもの
  二 『国家』における「知識/ドクサ」論の背景とその概要
  三 「能力(デュナミス)」としての知識とドクサ
  四 政治実践における哲人王の優位の根拠

第四章 「神の操り人形」の比喩
  一 プラトンの後期ペシミズム神話
  二 「神の操り人形」の比喩の分析
  三 魂の三区分説との対比
  四 『法律』における自由への教育

第五章 詩人追放の論理
  はじめに
  一 プラトンの文藝批判の原点
  二 『国家』の全体構成と文藝批判の位置づけ
  三 文藝批判I 
  四 文藝批判II

第六章 「最も美しきドラーマ」
  一 国制と法律
  二 第三の国制
  三 第一の国制
  四 『政治家』における「第二の航海法」
  五 第二の国制

第七章 ディオニュソスのコロスの誕生
  はじめに
  一 欲望と快楽に対する戦い
  二 ムゥシケーの本質と目的
  三 三つのコロスの組織
  四 酒宴の効用
  五 教育の守護者たち

第八章 説得の技法としての対話術
  一 法の前文と説得的弁論術
  二 プロオイミオン——「自由人の医者」の比喩
  三 エポーデー——コレイアーとミュートス
  四 ディアロゴス——若き無神論者たちとの対話

第九章 魂の治癒教育
  はじめに
  一 刑法原論
  二 さまざまな無知とアクラシアー
  三 犯罪の原因としての〈無知〉
  四 魂の治癒教育としての刑罰

第十章 「夜の会議」と法の支配
  一 問題の所在
  二 「夜の会議」の導入状況と構成メンバー
  三 「夜の会議」の固有の職務と本質的役割
  四 国制の守護者たち

終章 対話篇『法律』における哲学の課題

補論一 愛、知性及び自由
     A 現代において真の哲学的精神を蘇らせるために
     B 『法律』における自然学的国制論
     C amor Platonicusの真実とその再生へ向けて
補論二 K・シェップスダォの『法律』論

付 表 『法律』の全体構造
初出一覧
文献表
あとがき
索引(人名・事項・古典出典)
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