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暴力の文化人類学

田中 雅一 編著

菊上製・476頁

ISBN: 9784876980529

発行年月: 1998/02

  • 本体: 6,311円(税込 6,942円
  • 在庫なし
 
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内容

「暴力」は人類とともにあった。とりわけ社会化された暴力は、人間の歴史そのものを形成した一大要因ですらある。このような社会化された暴力を、総合科学である文化人類学はどう捉えるべきか。本書は、ここに「暴力の儀礼化」と「儀礼における暴力」に焦点をあてることにより、暴力論の新しい地平を切り開くことに成功した。

プロフィール

執筆者(執筆順,*は編者)

*田中雅一(たなかまさかず)
1955年生まれ.京都大学人文科学研究所助教授.文化人類学・南アジア民族誌.

菅原和孝(すがわらかずよし)
1949年生まれ.京都大学総合人間学部教授.人類学・身体とコミュニケーション研究.

栗本英世(くりもとえいせい)
1957年生まれ.国立民族学博物館助教授,総合研究大学院大学助教授.社会人類学・北東アフリカ民族誌.

田辺繁治(たなべしげはる)
1943年生まれ.国立民族学博物館教授,総合研究大学院大学教授.社会人類学・東南アジア民族誌.

三浦耕吉郎(みうらこうきちろう) 1956年生まれ.関西学院大学社会学部助教授.社会学・社会史.

富永茂樹(とみながしげき)
1950年生まれ.京都大学人文科学研究所助教授.知識社会学.

小田 亮(おだまこと)
1954年生まれ.成城大学文芸学部助教授.文化人類学.

川村邦光(かわむらくにみつ)
1950年生まれ.大阪大学文学部教授.宗教学・近代民衆文化論.

松田素二(まつだもとじ)
1955年生まれ.京都大学大学院文学研究科助教授.社会人間学.

大塚和夫(おおつかかずお)
1949年生まれ.東京都立大学人文学部助教授.社会人類学・中東民族誌.

今村仁司(いまむらひとし)
1942年生まれ.東京経済大学経済学部教授.社会哲学・社会思想史.

谷  泰(たにゆたか)
1934年生まれ.滋賀県立大学人間文化学部教授.社会人類学.

松村一男(まつむらかずお)
1953年生まれ.天理大学人間学部教授.宗教学・神話学.

春日直樹(かすがなおき)
1953年生まれ.大阪大学人間科学部教授.文化人類学.

大越愛子(おおごしあいこ)
1946年生まれ.近畿大学文芸学部助教授.哲学・宗教学・女性学.

目次

暴力の文化人類学序論 ✎ 田中雅一

第一部 発  現ーー儀礼という回路

第一章 平等主義社会における暴力ーーブッシュマンの「神話」と現実 ✎ 菅原和孝
第二章 戦士的伝統、年齢組織と暴力ーー南部スーダン・パリ社会の動態 ✎ 栗本英世
第三章 儀礼的暴力とその身体的基礎
ーー北タイの供儀と憑依について ✎ 田辺繁治
第四章 儀礼のメタ規範と暴力の政治ーーシャリヴァリ儀礼の転用をめぐって ✎ 三浦耕吉郎
第五章 立法者の死ーーフランス革命と集合暴力 ✎ 富永茂樹

第二部 変  貌ーー国家という文脈

第六章 民衆文化と抵抗としてのブリコラージューーベナンダンティと沖縄のユタへのまなざし ✎ 小田 亮
第七章 若者の“力”と近代日本ーー若者組の解体と再編-統合 ✎ 川村邦光
第八章 実践暴力の行方ーーケニアと西成の暴動現場から ✎ 松田素二
第九章 儀礼としての政治的暴力ーーイスラームのジハードの場合 ✎ 大塚和夫
第一〇章 暴力と崇高ーーベンヤミンとソレル ✎ 今村仁司

第三部 省  察ーー暴力という鏡

第一一章 儀礼的殺害としての供犠の位置ーーユダヤ・キリスト教世界での過剰解釈の残余 ✎ 谷泰
第一二章 女による暴力と女への暴力ーーギリシア悲劇の暴力性と女性像 ✎ 松村一男
第一三章 食人と他者理解ーー宣教師のみたフィジー人 ✎ 春日直樹
第一四章 女神と共同体の祝福に抗してーー現代インドのサティー(寡婦殉死)論争 ✎ 田中雅一
第一五章 性暴力的主体はいかにして形成されるのかーーフーコーとクリステヴァの理論に基づく考察 ✎ 大越愛子

あとがき

索  引
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