プリミエ・コレクション 71
帝国を創った言語政策
ダイチン・グルン初期の言語生活と文化

庄 声

A5上製・440頁・税込 5,940円
ISBN: 9784814000180
発行年月: 2016/03
在庫あり

内容

ダイチン・グルン(清朝)はマンジュ (満洲) 人のつくった国家であるが、本書はとりわけ初期の言語文化をめぐる種々の諸相を考察する。従来の研究は政治史に偏して、初期の言語文化スポットをあてた研究は皆無といってもよい状況であるなかで、膨大な満洲語史料を読み解きながら、この時代の社会と文化について新たな実像を描きだす。

目次

序 章
1 ホンタイジの文化観
2 康煕帝の評価
3 乾隆時代の記憶

第I部 マンジュ人と文字文化

第1章 マンジュ人とその名称
1 はじめに
2 朝鮮史料に登場するシベ部
3 ホンタイジの主張
4 チョオ・メルゲンの身元
5 おわりに
第2章 マンジユ人の文字文化
l はじめに
2 筆記用具
3 書写素材
 1) 紙の出処
 2) 石を活用
 3) 粘土の鋳型
 4) 木簡の登場
4 木版印刷の展開
 1) 一枚摺り
 2) 満漢合璧摺りの登場
 3) 書物の誕生
5 おわりに

第II部 漢文化受容と広がり

第3章 マンジュ人の読書生活について
1 はじめに
2 漢文化との出会い
 1) 新たな行政機関の発足
 2) 『大明会典』の応用
 3) 固用名詞の影響
3 漢文化の広がり
 1) 漢籍の伝播
 2) 漢字の学習
4 おわりに
第4章 17世紀におけるマンジュ人の語る漢文化
1 はじめに
2 読書のしかた
3 兵書を読む
4 『通鑑』から絵本へ
5 おわりに

第III部 グルン文書と印璽の展開

第5章 漢文文書から『太宗実録』の編纂へ
1 はじめに
2 漢文上奏文の作成
3 マンジュ語上奏文の登場
4 史書への編纂
 1) 稿本の文体
 2) 実録の文体
5 おわりに
第6章 グルン印璽制度の実態
1 はじめに
2 マンジュ文字印璽をめぐって
3 漢文印璽の登場
4 天地山川鬼神を祀る boobai の登場
5 おわりに
第7章 グルン文書システムの変容
1 はじめに
2 ホンタイジの勤政
3 政務負担の軽減
4 票擬に等しい用語の登場
5 おわりに

附 論 無圏点マンジュ文字字音
1 はじめに
2 無圏点マンジュ文字の音韻
3 音韻
 3.1 声母
 3.2 韻母
4 おわりに
5 史料篇

附 録
1 ソグド文字からマンジュ文字へ
2 マンジュ文字の変遷

参考文献
あとがき
図表一覧
年表
中文概要
索引

プロフィール

庄 声(しょうせい)
東北師範大学歴史文化学院准教授
中国新彊ウイグル自治区伊犂地区チャプチャル・シベ自治県イラチ・ニルに生まれる。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了、京都大学博士(人間・環境学)。

主な著作
「17世紀におけるマンジュ人の語る漢文化」『東方学報』第88冊、2013年
「錫伯超黙里根問題考辨」『西域歴史語言研究集刊』第七輯、2014年
「グルンの印璽制度をめぐって——ダイチン・グルン太祖と太宗時代の実態」『歴史文化社会論講座紀要』第12号、2015年
「老満洲文字音考」『西域歴史語言研究集刊』第八輯、2015年