プリミエ・コレクション18
わたしを律するわたし
子どもの抑制機能の発達

森口 佑介

A5上製・192頁・税込 2,592円
ISBN: 9784876982271
発行年月: 2012/06
在庫あり

内容

人はみな,自分の衝動を抑えながら生きている。しかし,このような自分を律する能力(抑制機能)は,生まれながらにして備わっているわけではない。子どもの成長過程において,抑制機能はどのように発達し,どのような影響を及ぼすのか。著者自身の研究による最新の成果を軸に,文化や進化の観点まで取り入れた多角的な議論を展開する。

目次

序 章 わたしを律する—抑制機能という視点から—
 はじめに
 1 実行機能と抑制機能
 2 抑制機能の神経基盤
第1章 抑制機能の発達
 1.1 発達心理学における抑制機能
 1.2 抑制機能の発達に関する神経科学的証拠
 1.3 乳児期における抑制機能の発達
 1.4 就学前期における抑制機能の発達
 1.5 就学期以降における抑制機能の発達
 1.6 抑制機能と発達障害
 1.7 本書の目的
第2章 抑制機能と社会的知性の発達
 2.1 抑制機能と心の理論
 2.2 抑制機能と社会的知性の発達
 2.3 抑制機能とコミュニケーション発達
 2.4 抑制機能と肯定バイアスに関する検討
 2.5 社会的世界における抑制機能の役割(1)
第3章 抑制機能と他者の行動
 3.1 子どもにみられる過剰な社会性
 3.2 脳損傷患者にみられる模倣行動
 3.3 抑制機能と模倣行動
 3.4 抑制機能と他者の行動に関する検討
 3.5 抑制機能とメディアに関する検討
 3.6 抑制機能と他者
第4章 抑制機能と物理的刺激
 4.1 刺激の種類
 4.2 社会的刺激に対する感受性
 4.3 ロボットは子どもの行動に影響を与えるか
 4.4 社会的世界における抑制機能の役割(2) 
第5章 抑制機能と文化
 5.1 文化と認知発達
 5.2 氏か育ちか—抑制機能の場合
 5.3 抑制機能の発達に文化差はあるか
 5.4 カナダと日本の文化比較
 5.5 抑制機能と文化
第6章 ヒト以外の動物における抑制機能
 6.1 ヒト以外の動物における前頭前野
 6.2 ヒト以外の動物における抑制機能
 6.3 チンパンジーにおける抑制機能
 6.4 チンパンジーにおける心の理論
 6.5 チンパンジーとヒト幼児の比較研究
 6.6 抑制機能の進化
第7章 抑制機能の発達的意義
 7.1 得られた知見のまとめ
 7.2 社会的世界における抑制機能の発達的意義
 7.3 社会的世界における抑制機能の進化的意義
 7.4 子どもの社会的感染に関する進化発達的考察
 7.5 抑制機能に関する研究の限界と可能性

引用文献
あとがき
索 引

プロフィール

森口 佑介(もりぐち ゆうすけ)
専門は発達心理学,認知科学。
2003年 京都大学文学部卒業
2005年 同 文学研究科修士課程修了
2008年 同 文学研究科博士課程修了(博士(文学))
日本学術振興会特別研究員,トロント大学客員研究員を経て,2009年から上越教育大学大学院学校教育研究講師。科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業さきがけ研究者を兼任。