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憎悪から和解へ

地域紛争を考える

峯 陽一・畑中幸子 編著

A5上製・410頁

ISBN: 9784876984046

発行年月: 2000/09

  • 本体: 2,800円(税込 3,080円
  • 在庫あり
 
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内容

ポスト冷戦から20世紀末にかけて、世界政治の動向のなかで最も顕著な事象が、「地域紛争」の頻発であろう。本書は、この難問に、文化人類学、開発経済学、歴史学、政治学、法律学などの様々な分野からアプローチし、現状のレポートと分析を通じて、問題の所在を明らかにしようとしたものである。 第2回NIRA大来政策研究賞受賞

受賞

第2回NIRA大来政策研究賞 受賞

書評

『外交フォーラム』No.178、評者:星野俊也氏

目次

序 章 大量難民、地域紛争、グローバル資本主義の時代 ✎ 峯 陽 一
 一 難民の世紀
 二 憎悪から和解へ
 三 安全保障とグローバル資本主義

第1部 難民の世紀
第1章 難民--バルト難民からインドシナ難民へ ✎ 畑中 幸子
 一 第二次大戦下のヨーロッパ難民--バルト難民の発生
 二 バルト難民移住への扉
 三 インドシナ難民の行方
第2章 大量難民への国際的対応--庇護の限界と「一時的保護」の可能性 ✎ 滝澤 美佐子
 一 大量難民への対応と難民条約の限界
 二 地域紛争による大量難民の発生と庇護抑止政策の広がり
 三 一時的保護概念の模索
 四 一時的保護の設定の争点
 五 一時的保護の要請された若干の事例の検討

第2部 憎悪から和解へ    
第3章 紛争処理における多極共存型統治モデルの可能性 --南アフリカ共和国の事例から ✎ 峯 陽一
 一 ファーニヴァルの複合社会論と東南アジア
 二 アーサー・ルイスの西アフリカ政治論
 三 レイプハルトのパワー・シェアリング論と南アフリカの実験
 四 南アフリカの現在    
第4章 武力紛争を平和的に解決するための試み--和解と真相究明、免責の役割 ✎ 田中 高
 一 地域紛争における人権侵害についての国際法上の解釈
 二 免責をめぐる議論
 三 免責・恩赦実施の具体例    
第5章 北アイルランド和平プロセスの二重路線 --ユニオニストに厳しい二つの基本原理 ✎ 堀越 智
 一 北アイルランド和平合意
 二 サニングデール協定の意義
 三 イギリス=アイルランド協定の意味
 四 ダウニング街宣言
 五 聖金曜日合意実施の困難

第3部 安全保障とグローバル資本主義
第6章 冷戦後の地域紛争への米国の対応 --多国間外交への試練 ✎ 小川 敏子
 一 低強度紛争への対応
 二 湾岸戦争と冷戦後の米国の多国間外交
 三 旧ユーゴスラビア紛争への米国の対応
 四 ソマリア紛争への米国の対応
 五 地域紛争介入をめぐる米国内の議論  
第7章 「脆弱な国家」と日米安保体制 --ポスト冷戦下の地域紛争と安全保障 ✎ 菅 英輝
 一 ポスト冷戦の世界と地域紛争--「脆弱な国家」をめぐる諸問題
 二 アジア太平洋の紛争地域と日米安保「再定義」
 三 日米安保の機能と「周辺有事」をめぐる諸問題
第8章 複合的グローバル化--競争国家とリスク社会の成立 ✎ 原田 太津男 
 一 グローバル経済と国家の衰退--神話か現実か
 二 グローバル化と国家--衰退か適応か
 三 グローバル化の社会的帰結--分裂と対立の深化

あとがき ✎ 畑中 幸子
索引/略語一覧
執筆者略歴
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