プリミエ・コレクション2
問いとしてのスピリチュアリティ
「宗教なき時代」に生死を語る

林 貴啓

A5・上製・260頁・税込 3,456円
ISBN: 9784876985593
発行年月: 2011/06
在庫あり

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内容

誰もが苦悩する,生死の意味や自分の存在理由といったスピリチュアリティに関わる問題——これに宗教や守護霊のような霊的世界観で答えを出すのもよい。しかし本書では,もっと抵抗なく語れるよう「問い」と「答え」に分けて考えることを提案。フランクルのロゴセラピーやベルクソン哲学も援用し、教育やケアにおける実践的展望を示す。

目次

まえがき

第一部 問いと答え

第一章 スピリチュアリティにおける「問い」と「答え」一つの分節化の戦略
1 なぜ、いまスピリチュアリティか
2 「理解の戦略」の必要
3 「問い」と「答え」のスピリチュアリティ
4 「問い」から拓かれる展望
5 おわりに
第二章 スピリチュアリティ理解の座標軸その問いはスピリチュアルなものか
1 スピリチュアリティの一つの危機
2 時代の要請と概念の規定
3 「問い」と「答え」という二つの軸
4 四つの象限から見えてくるもの
5 おわりに
第三章 「スピリチュアリティ」定義の諸相をめぐって「問いと答え」からの整理
1 定義という問題
2 挑戦と応答日本におけるスピリチュアリティ
3 定義のさまざまな試み
4 スピリチュアリティはどこに成り立つか
5 「超越的なもの」をめぐって
6 人間に普遍的なもの?
7 おわりに

第二部 源流を求めて

第四章 宗教的人間論の系譜「宗教的ではないが、スピリチュアル」の源流
1 前史を探って
2 宗教を広義に理解する
3 「広義の宗教」の二つのあり方
4 人間の普遍的・本質的な宗教性
5 「広義の宗教」論が投げかけるもの
第五章 フランクルと問いのスピリチュアリティ
1 フランクルを導き手として
2 スピリチュアルな問いとしての「意味への意志」
3 homo patiens =苦悩する人間
4 人間を特徴づける「精神」の次元とは
5 「問い」を正しく見究めること
6 ニヒリズムを問い直す
7 おわりに
第六章 「問いのスピリチュアリティ」から幸福を問う
1 「問い」として考える
2 幸福を「問う」とき
3 問いのスピリチュアリティから見えてくる「幸福」の展望
4 フランクルの視点から
5 おわりに
第七章 「スピリチュアリティの哲学者」としてのベルクソン
1 世界観をめぐる問題
2 スピリチュアルな世界観、スピリチュアルな生
3 認識論と哲学的方法流れに即し、生命に即する
4 閉じたものと開かれたもの
5 環境へのスピリチュアルな関わり
6 おわりに

第三部 実践に向けて

第八章 「問い」の見地からするスピリチュアル教育の展望
1 なぜ教育にスピリチュアリティか
2 「答え」の教育の限界「宗教的情操教育」論から
3 スピリチュアリティを「問い」として理解する
4 「問い」の教育その基本姿勢
5 実践への提言
6 「問い」の教育から開ける展望
第九章 問いの視点からみたスピリチュアルケア
1 スピリチュアルケアという潮流
2 現代日本のスピリチュアリティ事情のなかで
3 ケアのなかでのスピリチュアリティ
4 「問いと答え」の諸相
5 さらなる展望
6 「表現概念」という見地から
第一〇章 「問いと答え」の見地からスピリチュアリティ文化を見る
1 スピリチュアリティ文化をどう見るか
2 「問いと答え」という視座
3 ケアと教育「問い」からの出発
4 社会現象に見るスピリチュアリティ
5 「スピリチュアルブーム」をどう見るか

さらに知りたいときのためのブックガイド
初出一覧
あとがき
参考文献
索引

プロフィール

林 貴啓(はやし よしひろ)
 1972年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。人間・環境学博士。専攻,哲学・宗教学・教育人間学。現在,立命館大学文学部ほか非常勤講師。高校生による哲学的思考の国際コンクール「国際哲学オリンピック」(International Philosophy Olympiad = IPO)の日本委員も務める。
 著書に『いのち教育をひもとく』(現代図書出版,2008,共著),Whitehead and Existentialism(晃洋書房,2008,共著),The Roar of Awakening: A Whiteheadian Dialogue between Western Psychotherapies and Eastern Worldviews(Ontos Verlag, 2009,共著)など。
 論文に「時間的地平の倫理プロセス哲学的アプローチ」(『プロセス思想』第13号,2008),“Bioethics”(Sourcebook in Japanese Philosophy, Nanzan University Institute for Religion and Culture, 2009)など。