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学術選書 038

イネの歴史

佐藤 洋一郎

四六並製・266頁

ISBN: 9784876988389

発行年月: 2008/10

  • 本体: 1,800円(税込 1,980円
  • 在庫あり
 
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内容

われわれの生活に欠かせないコメ。その栽培はいつどこではじまり、どのように各地に伝播したのだろうか?交雑と品種改良いかにして進んだのか?ジャポニカとインディカの起源はどこまでたどれるのか?分子遺伝学と考古学、フィールドワークと実験室のコラボレーションが数々の謎に挑戦する。

書評

『しんぶん赤旗』'09年2月2日、学問/文化面「月曜インタビュー」

プロフィール

佐藤 洋一郎(さとう よういちろう)

総合地球環境学研究所教授。農学博士。
1952年11月和歌山県生まれ。1977年京都大学農学部卒業。1979年同大学院農学研究科修了。高知大学農学部助手、国立遺伝学研究所研究員、静岡大学農学部助教授を経て、2003年10月より現職。専門は、植物遺伝学。
2001年第9回松下幸之助花と緑の博覧会記念奨励賞、2004年第17回濱田青陵賞受賞。
著書 『DNAが語る稲作文明』(NHKブックス)、『森と田んぼの危機(クライシス)』(朝日選書)、『DNA考古学のすすめ』(丸善ライブラリー)、『稲の日本史』(角川選書)、『クスノキと日本人』(八坂書房)、『里と森の危機(クライシス)』(朝日選書)、『よみがえる緑のシルクロード』(岩波ジュニア新書)など多数。

目次

はじめに

第1章……農業以前の稲

草の台頭は新生代
草の戦略
イネ属の仲間たち
日陰者オリザの代表、リドレヤイ
カリマンタンで
ジャングルの中の野生イネ
ほかにもある日陰者
オリザ、森を出る
AAゲノムの野生イネ
分布の広いAAゲノムの野生イネ
それでもイネはまだ多年草だった
メコンデルタの野生イネ
花を咲かせないことと穂を出さないこと
穂が出なかった野生イネが穂をつける
タイの野生イネ
植物進化の袋小路、一年草
一年生の野生イネを見にゆく
一年生野生イネの種は何か?
絶滅危惧種、野生イネ

第2章……ジャポニカの誕生とその旅

野生植物と栽培植物
穀類の栽培化
イネの栽培化
栽培化の分子機構
もうひとつの脱粒性遺伝子
イネの栽培化はいつどこで起きたか
イネは中国生まれ
イネは東南アジア起源!?
栽培化はいつ進んだか
野生イネは「栽培」されたか
栽培と栽培化の統一的理解に向けて
海における栽培化

第3章……インディカのおこりと伝播

インディカというイネ
インディカ|ジャポニカ分類の実際
インディカとジャポニカを掛け合わせてみる
インディカとジャポニカの違いはなぜ生じたか
DNAでみるインディカ
欠けの起源
インディカ三株の祖先
インディカの祖先
インディカ伝染拡散説
インディカはいつ生まれたか
インディカの旅
日長反応性の強い浮稲たち
各所にある浮稲
浮稲の生産スタイル
天水田のイネ
田植えと直播
熱帯山地のインディカをたずねる
日長反応をなくしたインディカたち
インディカ、中国にわたる
台湾のイネ
インディカは剛
インディカの米
誤解されたインディカとジャポニカ
レンガの中の籾

第4章……イネ、日本列島に渡る

イネの渡来
縄文稲作はどのようなものであったか
水田稲作の渡来
焼畑農耕と多様性
イネはどのように北進したか
第5章……南アジアのイネ
栽培化が遅れた熱帯
インダス文明のイネ
さらに西進するイネ
砂漠から見つかるイネ
ブータンに入る
シッキムのイネ

第6章……イネ、米国、豪州へ渡る

カリフォルニア米は日本産
ミシシッピの稲もジャポニカ
豪州に渡った稲
第7章……未来へ
ハイブリッド・ライス
稲は世界を救う?
減農薬・減肥料に向いた品種
多収穫遺伝子は存在するか
品種改良の技
遺伝子組換えイネ
困った存在、雑草イネ
柔で剛を制しよう

引用文献
おわりに
索引
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