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都市型隣人集団が形成された平安後期、住人たちは放火や強盗にどう連帯したのか。職能ごとの集住や祭りへの奉仕はいつ始まったのか。藤原良相の西三条第や定家が驚嘆した西園寺家北山殿など日毎に更新される発掘成果から、また、史料の一行一場面から、平安京の住まいと「地域形成」の進展をとらえる。
『日本歴史』2017年10月号、97-99頁、評者:北村優季氏
『古代文化』第69巻 第2号、150-152頁、評者:生島修平氏
『京都民報』2017年3月26日、評者:片方信也氏
『古代文化』第69巻 第2号、150-152頁、評者:生島修平氏
『京都民報』2017年3月26日、評者:片方信也氏
【著者紹介】 五十音順 *は編者
天野 ひろみ(あまの ひろみ)
九州産業大学非常勤講師 日本中古文学(平安文学)
主要著作(旧姓・水田で発表)
「『源氏物語』の邸宅使用方法について—光源氏と匂宮の事例を中心に—」『中古文学』85号、2010年。
「王朝物語における男性の住まい」『国語と国文学』87巻7号、2010年。
安藤 哲郎(あんどう てつろう)
滋賀大学教育学部講師 歴史地理学
主要著作
「説話文学における舞台と内容の関連性—平安時代の都とその周辺を対象に—」『人文地理』 60巻1号、2008年。
「平安貴族における「京」の認識—日記の検討を通して—」『歴史地理学』53巻2号、2011年。
久米 舞子(くめ まいこ)
国際日本文化研究センター技術補佐員 日本古代史
主要著作
「平安京都市民の存在形態—道々細工を中心として—」『法制と社会の古代史』慶應義塾大学 出版会、2015年。
「金剛寺聖教にみえる僧仁範の足跡」『日本古代の地域と交流』臨川書店、2016年。
鈴木 久男(すずき ひさお)*
京都産業大学文化学部教授 日本歴史考古学
主要著作
『恒久の都 平安京』(共編著)吉川弘文館、2010年。
「鳥羽離宮庭園から見た鳥羽上皇の浄土観」『作庭記』と日本の庭園』思文閣出版、2014年。
「嵯峨嵐山の薪炭商小山家について」『角倉一族とその時代』思文閣出版、2015年。
塚本 明日香(つかもと あすか)
岐阜大学地域協学センター特任助教 中国建築史
主要著作
「宋代以前の正史災異史料に見られる一般的な建物用語の変遷」『日本建築学会計画系論文集』 674号、2012年。
『中国正史の災異史料における建物用語の変遷』学位論文、2015年。
辻 裕司(つじ ひろし)
公益財団法人京都市埋蔵文化財研究所常勤嘱託 日本考古学
主要著作
「木製服飾具の再検討—横櫛の分類と生産遺跡—」『研究紀要』第7号、財団法人京都市埋蔵 文化財研究所、2001年。
「中世初期の低地築堤例」『季刊考古学102 土木考古学の現状と課題』雄山閣、2008年。
『平安京左京八条三坊四・五町跡』(共著)、京都市埋蔵文化財研究所発掘調査報告2009-7、財団法人京都市埋蔵文化財研究所、2009年。
『平安京左京五条二坊四町跡』(共著)、京都市埋蔵文化財研究所発掘調査報告2013—10、公益財団法人京都市埋蔵文化財研究所、2014年。
西山 良平(にしやま りょうへい)*
京都大学大学院人間・環境学研究科教授 日本古代・中世の社会史・文化史
主要著作
『都市平安京』京都大学学術出版会、2004年。
『平安京の住まい』(共編著)京都大学学術出版会、2007年。
『恒久の都 平安京』(共編著)吉川弘文館、2010年。
『平安京と貴族の住まい』(共編著)京都大学学術出版会、2012年。
藤田 勝也(ふじた まさや)*
関西大学環境都市工学部教授 建築史・住文化史
主要著作
『日本古代中世住宅史論』中央公論美術出版、2002年。
『裏松固禅「院宮及私第図」の研究』(編著)中央公論美術出版、2007年。
『平安京の住まい』(共編著)京都大学学術出版会、2007年。
『平安京と貴族の住まい』(共編著)京都大学学術出版会、2012年。
南 孝雄(みなみ たかお)
公益財団法人京都市埋蔵文化財研究所調査係長 考古学
主要著作
「平安京掘立柱建物の特性—庇付き建物の展開—」『研究紀要』第1号、財団法人京都市埋蔵 文化財研究所、1995年。
「町家型建物の成立」『平安京の住まい』京都大学学術出版会、2007年。
天野 ひろみ(あまの ひろみ)
九州産業大学非常勤講師 日本中古文学(平安文学)
主要著作(旧姓・水田で発表)
「『源氏物語』の邸宅使用方法について—光源氏と匂宮の事例を中心に—」『中古文学』85号、2010年。
「王朝物語における男性の住まい」『国語と国文学』87巻7号、2010年。
安藤 哲郎(あんどう てつろう)
滋賀大学教育学部講師 歴史地理学
主要著作
「説話文学における舞台と内容の関連性—平安時代の都とその周辺を対象に—」『人文地理』 60巻1号、2008年。
「平安貴族における「京」の認識—日記の検討を通して—」『歴史地理学』53巻2号、2011年。
久米 舞子(くめ まいこ)
国際日本文化研究センター技術補佐員 日本古代史
主要著作
「平安京都市民の存在形態—道々細工を中心として—」『法制と社会の古代史』慶應義塾大学 出版会、2015年。
「金剛寺聖教にみえる僧仁範の足跡」『日本古代の地域と交流』臨川書店、2016年。
鈴木 久男(すずき ひさお)*
京都産業大学文化学部教授 日本歴史考古学
主要著作
『恒久の都 平安京』(共編著)吉川弘文館、2010年。
「鳥羽離宮庭園から見た鳥羽上皇の浄土観」『作庭記』と日本の庭園』思文閣出版、2014年。
「嵯峨嵐山の薪炭商小山家について」『角倉一族とその時代』思文閣出版、2015年。
塚本 明日香(つかもと あすか)
岐阜大学地域協学センター特任助教 中国建築史
主要著作
「宋代以前の正史災異史料に見られる一般的な建物用語の変遷」『日本建築学会計画系論文集』 674号、2012年。
『中国正史の災異史料における建物用語の変遷』学位論文、2015年。
辻 裕司(つじ ひろし)
公益財団法人京都市埋蔵文化財研究所常勤嘱託 日本考古学
主要著作
「木製服飾具の再検討—横櫛の分類と生産遺跡—」『研究紀要』第7号、財団法人京都市埋蔵 文化財研究所、2001年。
「中世初期の低地築堤例」『季刊考古学102 土木考古学の現状と課題』雄山閣、2008年。
『平安京左京八条三坊四・五町跡』(共著)、京都市埋蔵文化財研究所発掘調査報告2009-7、財団法人京都市埋蔵文化財研究所、2009年。
『平安京左京五条二坊四町跡』(共著)、京都市埋蔵文化財研究所発掘調査報告2013—10、公益財団法人京都市埋蔵文化財研究所、2014年。
西山 良平(にしやま りょうへい)*
京都大学大学院人間・環境学研究科教授 日本古代・中世の社会史・文化史
主要著作
『都市平安京』京都大学学術出版会、2004年。
『平安京の住まい』(共編著)京都大学学術出版会、2007年。
『恒久の都 平安京』(共編著)吉川弘文館、2010年。
『平安京と貴族の住まい』(共編著)京都大学学術出版会、2012年。
藤田 勝也(ふじた まさや)*
関西大学環境都市工学部教授 建築史・住文化史
主要著作
『日本古代中世住宅史論』中央公論美術出版、2002年。
『裏松固禅「院宮及私第図」の研究』(編著)中央公論美術出版、2007年。
『平安京の住まい』(共編著)京都大学学術出版会、2007年。
『平安京と貴族の住まい』(共編著)京都大学学術出版会、2012年。
南 孝雄(みなみ たかお)
公益財団法人京都市埋蔵文化財研究所調査係長 考古学
主要著作
「平安京掘立柱建物の特性—庇付き建物の展開—」『研究紀要』第1号、財団法人京都市埋蔵 文化財研究所、1995年。
「町家型建物の成立」『平安京の住まい』京都大学学術出版会、2007年。
口絵
まえがき (文責 西山)
第一部 地域形成のとらえ方
第一章 平安京の「随近之人」「在地者」と住人集団 [西山良平]
第一節 平安京の住人集団と地域形成
第二節 「随近之人・近辺人々」と「在地者」「在地之輩」
第三節 貴族社会の隣人関係と強盗・焼亡
第四節 平安京の住人集団と貴族社会
第二章 平安貴族の大路・小路をめぐる空間認識 [安藤哲郎]
—歴史地理からみる平安京の空間
第一節 平安京の路に関するアプローチと本章の意義
第二節 交差点表記の傾向
第三節 交差点の種類別にみる傾向
第四節 先述路を重視する貴族
第五節 東西路先述の要因
Article 中国正史に見られる住宅用語の変遷 [塚本明日香]
第一節 平安京の住まい・中国歴史時代の住まい
第二節 史料について
第三節 中国正史に見られる建物用語の変遷
第四節 災異史料中の用語の変遷から見る社会変化
第二部 地域形成を見いだす
第三章 平安京の地域社会に生きる都市民 [久米舞子]
第一節 都市への居住という視角から
第二節 都市の地域社会と交通
第三節 都市民の生業
第四節 都市民の祭り—稲荷祭・松尾の祭り・北野祭
第五節 平安京における地域性
第四章 衰退後の右京—十世紀後半から十二世紀の様相 [南 孝雄]
第一節 これまでの右京観
第二節 衰退前の右京—右京三条二・三坊から
第三節 西堀川の埋没とその後の人工河川
第四節 平安時代後期における右京の居住域
第五節 平安時代後期の右京の姿
第五章 平安京左京域南部における遺跡の展開 [辻 裕司]
第一節 平安京跡南東部における都市再開発と埋蔵文化財の動向
第二節 平安京跡南東部における調査
第三節 遺跡の変遷
第四節 左京三坊域における近年の調査
第五節 遺構分布と居住環境
第六節 遺跡内の生産遺構
第七節 埋蔵文化財の調査成果と課題
Column 1 町小路の北と南 [西山良平]
第三部 貴族の住まいの広がり
第六章 右大臣藤原良相と平安京の百花亭 [西山良平]
第一節 右大臣藤原良相と西三条第
第二節 右大臣藤原良相の百花亭と文人
第三節 藤原良相の「男女」
第四節 平安京百花亭の伝領
第五節 九世紀後半の西三条第
Column 2 『伊勢物語』の「成立」論 [西山良平]
第七章 王朝文学の中の寝殿—子女たちとの関わりを中心に [天野ひろみ]
第一節 主人と寝殿
第二節 寝殿と娘との関わり(1)—独身の娘の場合
第三節 寝殿と娘との関わり(2)—既婚の娘の場合
第四節 寝殿と息子との関わり(1)—義理の息子(婿)の場合
第五節 寝殿と息子との関わり(2)—実の息子の場合
第六節 寝殿が担った役割
第八章 平安・鎌倉時代の織戸、織戸中門 [藤田勝也]
第一節 織戸とはなにか
第二節 第二節 織戸は格下の戸
第三節 院御所・女院御所における織戸、織戸中門
第四節 第四節 公家住宅の織戸、織戸中門
第五節 裏松固禅が注目した織戸、織戸中門
第六節 数寄的手法としての織戸
Column 3 実は織戸は絵巻に散見する [藤田勝也]
第九章 西園寺家北山殿の景観 [鈴木久男]
第一節 金閣寺境内の遺構と先行調査研究
第二節 北山殿の概要
第三節 規模・遺構配置の復元案
第四節 不動堂と石像不動明王
第五節 北山殿の復元像
あとがき (文責 藤田・鈴木)
索引(事項/地名/人名)
著者紹介
まえがき (文責 西山)
第一部 地域形成のとらえ方
第一章 平安京の「随近之人」「在地者」と住人集団 [西山良平]
第一節 平安京の住人集団と地域形成
第二節 「随近之人・近辺人々」と「在地者」「在地之輩」
第三節 貴族社会の隣人関係と強盗・焼亡
第四節 平安京の住人集団と貴族社会
第二章 平安貴族の大路・小路をめぐる空間認識 [安藤哲郎]
—歴史地理からみる平安京の空間
第一節 平安京の路に関するアプローチと本章の意義
第二節 交差点表記の傾向
第三節 交差点の種類別にみる傾向
第四節 先述路を重視する貴族
第五節 東西路先述の要因
Article 中国正史に見られる住宅用語の変遷 [塚本明日香]
第一節 平安京の住まい・中国歴史時代の住まい
第二節 史料について
第三節 中国正史に見られる建物用語の変遷
第四節 災異史料中の用語の変遷から見る社会変化
第二部 地域形成を見いだす
第三章 平安京の地域社会に生きる都市民 [久米舞子]
第一節 都市への居住という視角から
第二節 都市の地域社会と交通
第三節 都市民の生業
第四節 都市民の祭り—稲荷祭・松尾の祭り・北野祭
第五節 平安京における地域性
第四章 衰退後の右京—十世紀後半から十二世紀の様相 [南 孝雄]
第一節 これまでの右京観
第二節 衰退前の右京—右京三条二・三坊から
第三節 西堀川の埋没とその後の人工河川
第四節 平安時代後期における右京の居住域
第五節 平安時代後期の右京の姿
第五章 平安京左京域南部における遺跡の展開 [辻 裕司]
第一節 平安京跡南東部における都市再開発と埋蔵文化財の動向
第二節 平安京跡南東部における調査
第三節 遺跡の変遷
第四節 左京三坊域における近年の調査
第五節 遺構分布と居住環境
第六節 遺跡内の生産遺構
第七節 埋蔵文化財の調査成果と課題
Column 1 町小路の北と南 [西山良平]
第三部 貴族の住まいの広がり
第六章 右大臣藤原良相と平安京の百花亭 [西山良平]
第一節 右大臣藤原良相と西三条第
第二節 右大臣藤原良相の百花亭と文人
第三節 藤原良相の「男女」
第四節 平安京百花亭の伝領
第五節 九世紀後半の西三条第
Column 2 『伊勢物語』の「成立」論 [西山良平]
第七章 王朝文学の中の寝殿—子女たちとの関わりを中心に [天野ひろみ]
第一節 主人と寝殿
第二節 寝殿と娘との関わり(1)—独身の娘の場合
第三節 寝殿と娘との関わり(2)—既婚の娘の場合
第四節 寝殿と息子との関わり(1)—義理の息子(婿)の場合
第五節 寝殿と息子との関わり(2)—実の息子の場合
第六節 寝殿が担った役割
第八章 平安・鎌倉時代の織戸、織戸中門 [藤田勝也]
第一節 織戸とはなにか
第二節 第二節 織戸は格下の戸
第三節 院御所・女院御所における織戸、織戸中門
第四節 第四節 公家住宅の織戸、織戸中門
第五節 裏松固禅が注目した織戸、織戸中門
第六節 数寄的手法としての織戸
Column 3 実は織戸は絵巻に散見する [藤田勝也]
第九章 西園寺家北山殿の景観 [鈴木久男]
第一節 金閣寺境内の遺構と先行調査研究
第二節 北山殿の概要
第三節 規模・遺構配置の復元案
第四節 不動堂と石像不動明王
第五節 北山殿の復元像
あとがき (文責 藤田・鈴木)
索引(事項/地名/人名)
著者紹介