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中国前近代の関津と交通路

辻 正博 編

B5上製・386頁

ISBN: 9784814003877     正誤表(2022.3.23)PDF

発行年月: 2022/03

  • 本体: 5,800円(税込 6,380円
  • 在庫あり
 
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内容

曹操が、煬帝が、西太后が行き交った交通の要衝——関所と渡し場、峠と回廊の実像を探る。地形や河道の変化、王朝の興亡と遷都、政治制度の変化は、いにしえの中国を旅する人びとに大きな影響を与えてきた。しかしその詳細に注意が払われないまま中国史が論じられている。旅の舞台となった関津・交通路のすがたを、最新の地形分析と精緻な文献解釈、多次にわたる現地調査の成果により多角的に解明。中国前近代の旅の姿を、リアルに浮かび上がらせる。多彩な図版とともに送る、道からみる中国史。

プロフィール

〔編者略歴〕
辻 正博(つじ まさひろ)
京都大学 大学院人間・環境学研究科 教授
 1961年 滋賀県生まれ
 1984年 京都大学文学部卒業
 1988年 京都大学大学院文学研究科博士後期課程(東洋史学専攻)を中途退学
 1988年 京都大学人文科学研究所東方部助手
 1992年 滋賀医科大学医学部助教授
 2007年 京都大学大学院人間・環境学研究科准教授
 2013年より現職
主要業績
 『唐宋時代刑罰制度の研究』(京都大学学術出版会、2010年)
 『概説中国史(上)—古代・中世』(共著。冨谷至・森田憲司編、昭和堂、2016年)
 『日本古代律令制と中国文明』(共著。大津透編、山川出版社、2020年)
 「隋唐国制の特質」(『岩波講座 世界歴史』第6巻、岩波書店、2022年所収)

〔執筆者紹介〕
小方 登(おがた のぼる)
1957年生まれ
京都大学 大学院人間・環境学研究科 教授
主要業績
「衛星写真を利用した渤海都城プランの研究」(『人文地理』第52巻2号、2000年)
‘A Study of Settlement Remains near the Qiemo Oasis in Northwestern China using Satellite Imagery and DEM’(共著、『奈良女子大学地理学・地域環境学研究報告 VIII』、2015年)

福原 啓郎(ふくはら あきろう)
1952年生まれ
京都外国語大学 名誉教授
主要業績
『西晉の武帝司馬炎』(白帝社、1995年)
『魏晉政治社会史研究』(京都大学学術出版会、2012年)

長谷川 順二(はせがわ じゅんじ)
1974年生まれ
博士(史学)(学習院大学)
主要業績
『前漢期黄河古河道の復元—リモートセンシングと歴史学—』(六一書房、2016年)
「「黄河安流説」の検討—リモートセンシングデータを利用した黄河古河道復元—」(渡邉義浩編『学際化する中国学—第十回日中学者中国古代史論壇論文集』汲古書院、2019年所収)

宇都宮 美生(うつのみや みき)
1963年生まれ
法政大学 文学部 准教授 
主要業績
「隋唐洛陽城の穀倉—子羅倉、洛口倉、回洛倉および含嘉倉をめぐって」(『史学雑誌』第127編3号、2018年)
「隋唐洛陽城における煬帝の運河建設—通済渠と通遠渠をめぐって」(『古代文化』第72巻4号、2021年)

松浦 典弘(まつうら のりひろ)
1968年生まれ
大谷大学 文学部 教授
主要業績
「墓誌から見た唐代の尼僧と家」(『佛教史学研究』第50巻第1号、2007年)
「唐代の女性と仏教—墓誌の検討を中心に」(『唐代史研究』第19号、2016年)

千田 豊(せんだ ゆたか)
1989年生まれ
大手前大学 非常勤講師
主要業績
『唐代の皇太子制度』(京都大学学術出版会、2021年)

小島 泰雄(こじま やすお)
1961年生まれ
京都大学 大学院人間・環境学研究科 教授
主要業績
『西北中国はいま』(共著、ナカニシヤ出版、2011年)

森谷 一樹(もりや かずき)
1974年生まれ
法政大学 大学院特定課題研究所(中国古代物質文化) 特任研究員
主要業績
「衛星画像が語ること—歴史学・考古学への応用にむけて」(髙村武幸・廣瀬薫雄・渡邉英幸編『周縁領域からみた秦漢帝国2』六一書房、2019年所収)
「内外モンゴル・河西回廊・楼蘭における一辺130mの囲郭遺跡の分布と展開—衛星画像・GISの歴史学・考古学への応用」(『金大考古』第80号、2021年)

塩沢 裕仁(しおざわ ひろひと)
1960年生まれ
法政大学 文学部 教授
主要業績
『後漢魏晋南北朝都城境域研究』(雄山閣、2013年)

侯 甬堅(こう ようけん)
1958年生まれ
陝西師範大学 西北歴史環境与経済社会発展研究研究院 教授
主要業績
『歴史地理学探索』第1集〜第3集(中国社会科学出版社、2004年・2011年・2019年)

張 学鋒(ちょう がくほう)
1962年生まれ
南京大学 歴史学院 考古文物系 教授
主要業績
『漢唐考古与歴史研究』(生活・読書・新知三聯書店、2013年)
「南朝建康的都城空間与葬地」(『中華文史論叢』2019年第3期)

〔翻訳者紹介〕
小野 響(おの ひびき)
1990年生まれ
日本学術振興会特別研究員PD(京都大学大学院人間・環境学研究科)
主要業績
『後趙史の研究』(汲古書院、2020年)
李憑著『北魏平城時代』(共訳。京都大学学術出版会、2021年)

目次

口絵
解題―序に代えて [辻 正博]
凡例

第Ⅰ部 関津―関所と渡し場・橋梁

第1章 衛星画像と地形データ(DEM)を利用した歴史的場所の検討 [小方 登]
 1 歴史地理学研究への衛星画像の活用
 2 数値標高モデル(DEM)の利用
 3 洛陽盆地
 4 潼関
 5 潼関附近の土地区画と泗州城
 6 鎖陽城
 おわりに

第2章 潼関の廃置・移設と武則天の「神都圏」構想 [辻 正博]
 はじめに
 1 潼関の設置と隋の南北関城
 2 武則天の「神都圏」構想と潼関の廃置
 3 近世の潼関
 おわりに

第3章 蕭関の機能的特徴と地理的位置についての一考察―とくに旧関関係史料の分析に重点を置いて [福原 啓郎]
 はじめに
 1 蕭関の沿革
 2 詩跡としての蕭関
 3 蕭関の機能的特徴とその否定的側面
 4 蕭関の地理的位置
 おわりに

第4章 黄河下流平原の「津」―リモートセンシングデータを利用した黄河古河道復元[長谷川 順二]
 はじめに
 1 黄河下流平原の「津」に関する先行研究
 2 戦国~唐代における黄河下流平原の「津」
 3 黄河下流平原における「津」の変遷
  ―今後の「津」研究に向けて

第5章 唐代の蒲津渡と東渭橋をつなぐ交通路 [宇都宮 美生]
 はじめに―発見相次ぐ橋梁遺跡
 1 唐代の黄河の蒲津渡
 2 唐代の渭水の渭橋
 おわりに―交通幹線道と渡津・橋梁

第6章 唐宋時代における僧侶の旅と交通―過所・公験・公憑 [松浦 典弘]
 はじめに
 1 唐以前における僧の移動に対する制約
 2 唐代における僧の移動に対する制約
 3 宋代における僧の移動に対する規制
 4 過所・公験・公憑
 おわりに

第7章 鷄鳴駅の変遷―堡・駅から観光施設へ [千田 豊]
 はじめに
 1 鷄鳴駅の成立と堡としての価値
 2 清代の鷄鳴駅
 おわりに

第8章 蜀道から考える関塞としての秦嶺 [小島 泰雄]
 はじめに
 1 蜀道
 2 桟雲峡雨日記
 3 関中盆地・宝鶏から漢中盆地・褒城への旅程
 4 快速の秦嶺越
 おわりに

第Ⅱ部 交通路―街道と水路

第9章 黄巷・金陡関と潼関―関所の移置と街道の変遷 [辻 正博]
 はじめに
 1 黄巷・黄巷坂
 2 金陡関―潼関の東に置かれた関門
 3 20世紀以降の交通路の変化と潼関―結びに代えて

第10章 河西回廊における遺跡・交通路・オアシスの位置関係―漢代・唐代の敦煌と瓜州を中心に [森谷 一樹]
 はじめに
 1 楡林河~蘆草溝のふたつの扇状地と遺跡の分布
 2 『唐代交通図考』にみえる唐代交通路の検証
 3 蘆草溝オアシスのふたつの囲郭遺跡
 4 懸泉置漢簡にみえる漢代交通路との比較
 おわりに

第11章 太行陘・白陘古道の歴史的意義―古道関連の関塞・集落遺址調査を踏まえて [塩沢 裕仁]
 緒言
 1 太行陘の景観復元
 2 白陘
 3 太行陘および白陘古道関連遺跡
 結語

第12章 武関道から商洛道へ―関中平原~南陽盆地間の交通運輸 [侯 甬堅(小野 響 翻訳、辻 正博 監訳)]
 はじめに
 1 商洛古道開鑿の地質学的前提
 2 商洛古道の交通運輸と道路事情の改善
 3 商洛山間部における近代的自動車道の登場
 4 丹江水運における航行距離の短縮
 5 商洛古道研究における未解決の諸問題
 結論―外部地域による制約と商洛古道の交通運輸

第13章 前近代中国中原の穀倉の発展と交通路―実地踏査による新知見を交えて [宇都宮 美生]
 はじめに
 1 隋唐以前の穀倉の諸相
 2 隋の穀倉とその運営
 3 唐の穀倉とその運営
 おわりに―穀倉と交通

第14章 破岡瀆―建康と三呉の間 [張 学鋒(千田 豊 翻訳、辻 正博 監訳)]
 はじめに
 1 破岡瀆の開鑿とその流路
 2 建康と三呉の間
 3 破岡瀆と六朝時代の海外交通
 おわりに

第15章 前近代中国の運河―洛陽・揚州間の隋・唐・宋運河遺跡をたどって [宇都宮 美生]
 はじめに
 1 通遠渠と通済渠西部分―河南省洛陽と洛口(黄河合流点)の間
 2 黄河―洛口・汴口間
 3 通済渠東部分(汴河)―汴口・泗州間
 4 旧淮河と洪沢湖
 5 淮揚運河―淮安・揚州・瓜洲の区間

おわりに
あとがき [辻 正博]
索引(人名・地名・事項)
執筆者・翻訳者紹介
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