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私たちは日常生活において様々な夢をみるが、夢は将来の出来事を予示するとか、あるいは心や身体のありかたと密接に結びつくものであるとか理解されることが多い。その点は昔の時代においても同様であった。2世紀初め~3世紀末に活躍したエペソスのアルテミドロスの手になる『夢判断の書』など、夢の予兆に関する類書が現存する。このよう書物が存在したのは、夢について知りたいという人々の願望があったからであろう。本書はヨーロッパ古代における夢概念について、西洋古典学を主軸に、文学、哲学、歴史、医学、宗教、美術など隣接する学問領域にわたって、相互に有機的な連関を保ちながら、統合的に分析した成果をまとめたものである。