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パクス・ブリタニカと植民地インド

イギリス・インド経済史の《相関把握》

今田 秀作

A5上製・458頁

ISBN: 9784876980932

発行年月: 2000/03

  • 本体: 5,200円(税込 5,720円
  • 在庫あり
 
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内容

大文明どうしが、2世紀の長きにわたり支配-支配される関係にあったインド植民地時代、二つの地域はどのように影響し合ったのか。イギリスの産業革命をインドが推進し、国際市場へのインドの進出をイギリスが促しながら、グローバルな近代化が進行したその過程を、実証的に検証した意欲作。東インド会社論にも、新しい枠組みを示す。

書評

『アジア経済』42巻11号、評者:渡辺昭一氏
『歴史と経済』第181号、評者:谷口晋吉氏

プロフィール

今田秀作(いまだ しゅうさく)
1956年 広島県に生まれる
1980年 京都大学経済学部卒業
1985年 京都大学大学院経済学研究科博士課程単位取得
現 在 和歌山大学経済学部教授 博士(経済学)京都大学より
勤務先住所 和歌山市栄谷930 和歌山大学経済学部(〒640-8510)
E-Mai: imada@emily.eco.wakayama-u.ac.jp

目次

序 章 インド植民地支配史研究に関する方法論的考察:本書の課題と方法
    ——M・D・モリスとインド・ナショナリスト史家との論争を中心として
序-1 はじめに
序-2 モリスの経済成長論
序-3 インド・ナショナリスト史家の経済類型論
序-4 本書の研究課題と方法
序-5 本書の基本構成
第1部 産業革命期イギリス東インド会社の動態とインド支配体制の展開
第1章 総督ウェルズリによる英領インド帝国の建設と貿易独占権修正
1-1 序
1-2 ウェルズリのベンガル総督就任と彼の政策課題
1-3 ウェルズリによる英領インド帝国の建設
1-4 英印貿易の発展と在インド私商人
1-5インドにおける領土的支配拡大と在インド私商人
1-6小括
第2章1800年前後における東インド会社経営論争
2- 1序
2-2ピット・インド法と東インド会社
2-3東インド会社の人的構成とその変化
2-4会社最締役会の提起する路線
2-5本国政府の提起する路線
2-6 1813年の特許状更新と取締役会の態度変化
第1部のまとめ
第2部西部インドにおける地税政策の展開と農村社会経済構造の変容
第3章植民地化に先立つ西部インド農村祉会経済構造の特質
3-1序
3-2デカンにおける農村社会経済構造
3-3グジャラート・コーンカンにおける在地領主制および中間的地主制の展開
3-4植民地化に先立っ西部インド農村杜会経済構造における変化の方向性
第4章19世紀中葉ボンベイ管区における地税政策の展開
4-1序
4-2改革以前の地税制度
4-3地税制度改革に込められた墓本的政策志向
4-4デカンにおける地税制度改革に伴う政策実態
4-5在地領主制および中間的地主制支配地域における政策実態
4-6地税制度改革に伴う諸政策結果——小括
第5章 植民地期西部インド農村社会経済構造の変容
5-1序
5-2 19世紀中葉における経済膨張
5-3 1880年以降の経済構造変化
5-4小括
第3部 植民地インドにおける綿花開発と世界市場統合
第6章インド綿花開発における諸困難と開発の本質
6-1序
6-2綿花開発の諸困難と農民経営構造
6-3綿花開発の諸困難と国内流通・市場構造
6-4綿花開発の諸困難と世界的市場構造
6-5カーナックによる外国綿種移植政策に対する評価
6-6綿花開発の全体構造と本質
第7章農民的商晶経済の発展と国内綿花流通構造の再編
7-1序
7-2カーナックによる現状評価と開発展望の基本線
7-3農民的商品経済の発展と地税制度改革
7-4奥地綿作地帯に至る鉄道建設と綿花流通構造の再編
第8章綿花・綿製品市場構造の再紀と現地綿工業の動態
8-1序
8-2国内綿花・綿製品市場に関する現状認識と期待
8-3鉄道建設とイギリス産綿製品の流入
8-4インド産綿花輸出およびイギリス産綿製品流入の停滞と現地綿工業の動態
8-5インド産綿花の世界的市場構造に関する展望と市場動向
8-6在来種粗綿花栽培の復活と拡大
8-7中央州域外貿易構造の変容と小麦生産・貿易の推移
第9章インド産綿花貿易における国際的商業・金融組織の変容
9-1序
9-2 19世紀後半における綿花輸出商人の変容
9-3 19世紀後半インド産綿花貿易における国際的商業・金融組織の変容
9-4 小括
第3部のまとめ
終章19世紀インド植民地支配の本質と世界史的意義——総括
あとがき
索引
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