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プリミエ・コレクション 15

ベルクソン哲学と科学との対話

三宅 岳史

A5上製・228頁

ISBN: 9784876982325

発行年月: 2012/07

  • 本体: 3,000円(税込 3,300円
  • 在庫あり
 
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内容

哲学者ベルクソンにおける科学と哲学の関係の問題については評価が分かれる。エントロピー概念と非可逆性の問題、神経系の非決定性がはらむ偶然性と決定論の問題、生物(とりわけ器官の構造と機能)の進化と目的性概念の問題、等々、現代科学が語り残した哲学的課題を丁寧にたどりながらベルクソン哲学の再評価をおこなう。

プロフィール

三宅 岳史(みやけ たけし)

1972年 岡山県生まれ、2004年 京都大学大学院博士後期課程思想文化学専攻哲学専修研究指導認定退学、2007年 博士(文学)取得(京都大学)。現在、香川大学アーツ・サイエンス研究院(教育学部人間発達環境課程主担当)准教授。
専門は、フランス哲学、エピステモロジー(科学認識論)。
主な論文に、「『創造的進化』における生物の機能と形態の問題」『哲学論叢』36号(2009年)、「神経学とベルクソン」『エピステモロジーの現在』慶応大学出版局(2008年)。主な翻訳にドミニック・ルクール『カンギレム』(共訳)白水社、クセジュ文庫(2011年)、チャールズ・テイラー『今日の宗教の諸相』(共訳)岩波書店(2009年)。

目次

まえがき

序 章
 一.十九世紀後半の新しい科学哲学の潮流
 二.科学と哲学の相補的関係

第一章 持続概念の形成と連続性の問題
 はじめに
 一.ベルクソン自身による説明
 二.ゼノンのパラドクスと十九世紀後半の時代状況
 三.連続性の問題と『アリストテレスの場所論』
 四.連続性概念の変質と『試論』

第二章 力・エネルギー概念と決定論の問題
 はじめに
 一.エネルギー保存則と決定論
 二.二種類の力
 三.努力の感じと力の概念
 四.エネルギー保存則と系の可逆性

第三章 神経系(ニューロン)概念と心身問題
 はじめに
 一.『試論』と計算不可能なエネルギー
 二.神経現象の研究史
 三.非決定性の座としての神経系―『物質と記憶』
 四.生理学と物理―化学の間―ブシネスクの計測不可能性
 五.エネルギーの解放の非決定性

第四章 エントロピー概念と非可逆性(時の矢)の問題
 一.エントロピー概念導入の時代的背景
 二.有機体内の二種類のプロセス
 三.エネルギー論と原子論
 (一)エネルギー論あるいは規約主義―ポアンカレ、デュエム
 (二)原子論―ボルツマン

第五章 偶然性概念と階層の問題
 一.偶然性概念の分類―三つの偶然性
 二.ブトルーの哲学―偶然性と階層
 三.ベルクソン哲学と三つの偶然性概念
 (一)ルクレティウスと自然発生説―『試論』以前の著作
 (二)自由と偶然性―『試論』
 (三)物質と偶然性―『物質と記憶』
 (四)偶然性への批判―『創造的進化』

第六章 目的性概念と生物進化(器官の構造と機能)の問題
 はじめに 問題の所在
 一.『創造的進化』の目的性概念―その否定的側面と肯定的側面
 二.機能か、構造か
 三.傾向、分化、進化
 結論 『創造的進化』の目的性概念

第七章 時空の概念と宇宙論(コスモロジー)の問題
 はじめに
 一.ミンコフスキー時空の超空間解釈
 二.ベルクソンの仮説(一つの普遍的で非人称的な時間)
 三.ベルクソンの議論とその時代背景
 四.ミンコフスキー時空の動的解釈
 五.観測者の身分
 六.むすび

結 論
 はじめに 各章のまとめ
 一.ベルクソン哲学とコントの実証哲学
 二.科学と科学主義
 三.生成の哲学から生成の科学へ
 おわりに

あとがき
引用文献・参考文献
索引(人名・事項)
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