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日本の火山性地震と微動

西村太志・井口正人 著

A5上製, 242 pages

ISBN: 9784876986743

pub. date: 02/06

  • Price : JPY 3,400 (with tax: JPY 3,740)
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★推薦の辞★
[推薦]尾池 和夫
(京都大学総長、地震学)
火山の国、日本で始められた火山性地震の研究は、まず多様な波形の分類から手がけられ、百年近くにわたって貴重な観測データが蓄積された。近年、観測システムや波形解析の手法が飛躍的に進んで、火山性地震の波形はマグマの動きや噴火のメカニズムと深く関わることがわかってきた。本書はそのことをみごとに描いた火山の教科書である。火山性地震に特有の多様性のなかから共通性を見いだす努力をする一方、豊富な観測データを尊重し、多様な波形が現れるということこそが、火山性地震の魅力であるということを読者に伝える好著として推薦したい。

 
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内容

マグマダイナミクス,地震微動と噴火との関係を明らかにしてきた我が国の火山性地震・微動研究.しかし,多種多様の揺れが観測される火山性地震・微動を理解するのは容易でない.観測・分類の方法から発生要因の解析、さらに噴火活動との一般的関係まで,はじめて本格的に記した概説書。日本の主要な火山のデータをも網羅的に概観。

プロフィール

西村太志・東北大学大学院理学研究科・助教授
井口正人・京都大学防災研究所・助教授

目次

口  絵
まえがき
第1 章 概  観 
第2 章 観測システム 
2.1 火山地震観測の歴史
BOX 1 火山観測拠点設立の歴史
2.2 現在の火山地震観測システム 
2.3 火山で地震観測をする際の注意点  
第3 章 火山性地震と微動の分類 
3.1 はじめに 
3.2 観測波形の例 
3.3 火山性地震・微動の呼称と分類 
3.4 まとめ 
第4 章   
4.1 はじめに 
4.2 推定法 
 実体波の到達時刻を用いた方法 
 アレー観測による波形の相関を利用した方法 
 振動軌跡を利用した方法
 振幅を利用した方法 
4.3 震源分布の特徴 
4.3.1 震源の移動 
BOX 2 外国の火山における震源の移動現象 
4.3.2 共存と棲み分け 
4.3.3 繰り返し発生 
4.4 まとめ 
第5 章 発生機構 
5.1 はじめに 
5.2 発震機構の表現と推定方法 
5.2.1 初動極性を利用した推定法
5.2.2 実体波の振幅値を用いた推定法 
BOX 3 震源球の説明 
5.2.3 モーメントテンソル・インバージョン法 
5.2.4 スペクトル構造を使った推定法 
5.3 ダブルカップル型の火山性地震 
5.4 非ダブルカップル型の火山性地震と微動 
5.4.1 非噴火時に発生する地震と微動 
 (1)解析例 
BOX 4 クラック振動とモーメント比 
 (2)火山性微動モデル 
  共鳴体モデル 
BOX 5 火山性流体の音速 
  非線形振動モデル
  気液二相流の振動モデル 
5.4.3 噴火に伴って発生する地震と微動 
 (1)爆発地震 
  巨視的な発生機構 
  高分解能の発生機構 
 (2)やや弱い噴火に伴って発生する地震 
 (3)連続的な噴火に伴う震動 
 (4)その他の地震 
5.5 まとめ 
第6 章 地震活動と火山活動 
6.1 はじめに 
6.2 静穏期をはさんで活動を繰り返す火山性地震・微動の活動 
6.3 定常的な活動のある火山の地震・微動活動 
6.4 噴火発生時期の予測 
6.5 深部低周波地震の活動 
6.6 火山性地震の群発性 
BOX 6 深部低周波地震の分布
6.7 地震と火山噴火の相互作用
BOX 7 火山近傍で起きた大地震
6.8 火山性地震の遠隔誘発現象 
6.9 規模別頻度分布 
6.10 関連する現象 
6.11 まとめ 
v
目  次
第7 章 日本の主な火山で観測される火山性地震と微動 
7.1 はじめに
7.2 十勝岳 
7.3 有珠山 
7.4 岩手山 
7.5 浅間山 
7.6 富士山 
7.7 伊豆大島 
7.8 三宅島 
7.9 雲仙岳 
7.10 阿蘇山 
7.11 桜  島 
7.12 諏訪之瀬島 
7.13 手石海丘 
7.14 その他の火山 
雌阿寒岳
樽前山
恵山
北海道駒ヶ岳
岩木山
十和田
秋田駒ヶ岳
鳥海山
蔵王山
安達太良山
磐梯山
吾妻山
那須岳
日光白根山
草津白根山
硫黄島
御嶽山
鶴見岳
九重山
霧島山
薩摩硫黄島
口永良部島
索 引
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