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近代社会思想コレクション 17

反マキアヴェッリ論

フリードリヒ二世 大津 真作 監訳

四六上製, 470 pages

ISBN: 9784814000418

pub. date: 08/16

  • Price : JPY 4,200 (with tax: JPY 4,620)
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内容

若きフリードリヒ二世が執筆,文人ヴォルテールが監修し出版された本書は,アムステルダム版を中心に五〇版以上を重ね,英・伊・羅・独等の各国語に翻訳され,同時代のベストセラーとなった.フリードリヒが唱えた「啓蒙専制君主擁護論」は,後のドイツ史の方向を決定づけるものでもあり,ヨーロッパ近代史の理解に資するところが大きい.

書評

『日経BOOK PLUS』2023年11月28日公開記事「仕事への姿勢を整えてくれる「リーダーシップ」の名著12冊」、紹介:鈴木博毅氏
https://bookplus.nikkei.com/atcl/column/041500053/111500237/

プロフィール

大津 真作(おおつ しんさく)
 甲南大学名誉教授。
 専門はヨーロッパ社会思想史。
主な著訳書
『啓蒙主義の辺境への旅』(世界思想社、1986)、『倫理の大転換』(行路社、2012)、『思考の自由とはなにか』(晃洋書房、2012)、『異端思想の500年』(京都大学学術出版会、2016)など。
レ一ナル『両インド史 東インド篇』上巻(法政大学出版局、2009)、レーナル『両インド史 東インド篇』下巻(法政大学出版局、2011)、ランゲ『市民法理論』(京都大学学術出版会、2013)、レーナル『両インド史 西インド篇』上巻(法政大学出版局、2015)など。

川合 清隆(かわい きよたか)
 甲南大学名誉教授。専門は社会思想史。
主な著訳書
『ルソーの啓蒙哲学―自然・社会・神』(名古屋大学出版会、2002)、『ルソーとジュネーヴ共和国―人民主権論の成立』(名古屋大学出版会、2007)など。マブリ『市民の権利と義務』(京都大学学術出版会、2014)。

壽里 竜(すさと りゅう)
関西大学経済学部教授。
主な著訳書
Hume’s Sceptical Enlightenment, Edinburgh University Press, 2015.

野原 慎司(のはら しんじ)[第一三章]
東京大学大学院経済学研究科講師。
主な著訳書
『アダム・スミスの近代性の根源』(京都大学学術出版会、2013)。

上野 大樹(うえの ひろき)
青山学院大学非常勤講師。
主な著訳書
「アダム・スミスと政治哲学の革命――「ユートピア的資本主義」論の現代的再構成」、『人文学報』第107号、2015年。「モンテスキューと野蛮化する共和国像――共和主義的「文明」理解の盛衰をめぐって」、田中秀夫編『野蛮と啓蒙――経済思想史からの接近』(京都大学学術出版会、2014)。

北田 了介(きただ りょうすけ)
関西大学経済学部非常勤講師。
『経済思想史講義ノート』(共著、萌書房、2016)。

阪本 尚文(さかもと なおふみ)
福島大学行政政策学類准教授。
主な著訳書
「丸山眞男と八月革命(1)――東京女子大学丸山眞男文庫所蔵資料を活用して」、『行政社会論集』第28巻第1号、2015年。

草野 善太(くさの ぜんた)
京都大学大学院文学研究科修士課程。
研究テーマ:古典功利主義における統治と美学。

目次

フランス語版『君主論』への訳者アムロ・ド・ラ・ウセーの序文
『反マキアヴェッリ論』へのヴォルテールの序文
マキアヴェッリ『君主論』駁論への序文(一七四〇年)

反マキアヴェッリ、あるいはマキアヴェッリの『君主論』を検討する

第 一 章 どれくらいの種類の君主国があるか。どのような手段で、それらは獲得されるか[君主に服従する諸国家のあいだにある相違について、それを所有するための手段にはどのようなものがあるか]
第 二 章 世襲の君主国について
第 三 章 混合君主国について[さまざまな種類から構成される君主制について]
第 四 章 ダレイオスの王国を征服したアレクサンドロスが死んだあとで、どうして王国は叛乱にまったく立ち上がらなかったのか[アレクサンドロスによって征服されたダレイオスの諸国家は、彼の死後、どうしてこの征服者の後継者に対して叛乱に立ち上がらなかったのか]
第 五 章 征服される以前に、固有の法律によって統治されていた都市や君主国をいかにして統治しなければならないか[征服されてしまう前には自由であった諸国家をどのようなやり方で統治しなければならないか]
第 六 章 君主がみずからの勇気とみずからの軍隊で獲得した新しい国家について[みずからの勇気とみずからの軍隊でなされる新たな征服について]
第 七 章 他者の武力によって、あるいは、幸運によって獲得された新たな君主国について[外国の武力によって、そして幸運によってのみなされる征服について]
第 八 章 犯罪によって君主となった人びとについて[犯罪によって君主権力に成り上がった人びとについて]
第 九 章 文民的君主制について[共和制のなかで獲得される君主権力について]
第一〇章 君主国の戦力をどのようにして測るべきか
第一一章 教会君主国について[教会国家について]
第一二章 民兵と傭兵のさまざまな種類について[あらゆる種類の民兵について。第一に、外国人部隊と傭兵部隊について]
第一三章 援軍、混成軍、自国軍について[援軍、混成軍、国自身の軍隊について]
第一四章 軍事に関する君主の義務について
第一五章 人間、とりわけ君主のなにが賞讃させたり、非難させたりするのか[人間、とりわけ君主をなにが賞讃に値するものにしたり、非難に値するものにしたりするのかについて]
第一六章 気前の良さと倹約について
第一七章 残酷さと慈悲深さについて、恐れられるよりも、愛される方がよいかどうか[残酷さと慈悲深さについて、恐れられることと愛されることと、どちらが君主にとって利益になるか]
第一八章 君主は約束を守らなければならないか?[どのようなやり方で君主は信義を守らなければならないかについて]
第一九章 どのようにして軽蔑され、憎まれるのを避けるべきか[どのようにして憎しみと軽蔑を避けるべきか]
第二〇章 君主には有益と思える城塞、その他の諸手段は、本当に有益なものであるか[城塞、その他、君主がしばしばやっている事柄は有用であるか、有害であるか]
第二一章 尊敬されるために、いかにして君主は統治を行なうべきか[世界においてみずからを重要人物たらしめるためには、君主はどのような道をとるべきか]
第二二章 君主の秘書官について[君主の大臣について]
第二三章 いかにしてへつらい者から逃れるべきか
第二四章 なぜイタリアの君主たちはその国家を失ったのか[イタリアの君主たちがその国家を失った原因について]
第二五章 運命は世事にどれほどの力を持つか、いかにすれば、運命に抵抗することができるか[諸国家の統治における運命の力について、いかなる手段で運命に抵抗することができるか]
第二六章 イタリアを蛮族から解放するための勧告[蛮族の奴隷制からイタリアの権力者たちの祖国を解放するための勧告]

補録 ヴォルテールの『習俗試論』より
第一〇八章 サヴォナローラについて
第一一〇章 法王アレクサンデル六世と国王ルイ一二世について。法王とその息子の犯罪。軟弱なルイ一二世の不幸
第一一一章 アレクサンデル六世一族とチェーザレ・ボルジアの侵害行為。ルイ一二世とカトリック王フェルナンドとの紛争の続き。法王の死

フリードリヒによるヴォルテール讃

付録 フリードリヒの諸論考
 国家にとって学問芸術が有用であることを論ず
 自己愛を道徳の原理として検討することを試みる
 教育に関する手紙
 若い貴族のための道徳論
 思考で誤りに陥っても罪にはならないことを論ず
 統治体の諸形態と君主の義務

解 説
フリードリヒ二世年譜

あとがき
索引(人名・事項)
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