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学術書を読む

鈴木 哲也

A5並製, 138 pages

ISBN: 9784814003013

pub. date: 10/20

  • Price : JPY 1,500 (with tax: JPY 1,650)
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推薦

【推薦】佐藤文隆氏(元日本物理学会会長・京都大学名誉教授)
人類は二,三千年の文明とともにあり,この先達の遺産を受け継ぐのが読書である。二,三十年の実人生だけでは,食っていく単能な専門家にはなれるが,文明人にはなれない。そうはいっても専門への集中,研鑽も大事である。本書ではこのバランスを “「専門外」の四つのカテゴリー”という考えで上手にマネージする秘訣が提示されている。学術書編集の達人が披露する実践論であり,文明人になる人生の処方箋だ。

書評

『朝日新聞』2020年12月12日付朝刊 読書面
『週刊読書人』2020年12月11日号、評者:森貴志氏
『週刊読書人』2020年12月11日号「図書館流通センター提供書評」、評者:中尾優子氏
『週刊東洋経済』2020年12月5日号、「話題の本」
『読売新聞』2020年11月22日朝刊 本よみうり堂、評者:三中信宏氏
『図書新聞』2020年11月28日付、評者:三浦衛氏
『公明新聞』2020年11月2日付 読書面

プロフィール

鈴木哲也(すずき てつや)
京都大学学術出版会専務理事・編集長
京都大学文学部および教育学部に学ぶ。出版社勤務を経て2006年より現職。
著書に,『学術書を書く』(2015年,高瀬桃子との共著),『世界大学ランキングと知の序列化――大学評価と国際競争を問う』(2016年,分担執筆),『京都の「戦争遺跡」をめぐる』(1991/1996年,池田一郎との共著)など。

目次

「学びたいことが学べない」―1通のメールから

第I部 考える―学術書を読む意味

第1章 「現場の哲学」が求められる時代―「専門」の限界
 複雑さを増す社会の中で
 方法や認識の壁を越える対話としての読書
第2章 自省作用と創造―専門外0 の学びの機能とその楽しさ
 量子力学を拓いたハイゼンベルクの読書
 「実用主義」「理想主義」の肥大を抑える外部からの眼
 専門外の学びはそもそも楽しい―読書会の取り組みから
第3章 「わかりやすい」からの脱却
 「わかりにくい」本,「わかりやすい」本
 「わかりやすい」とバブル時代
 丁寧なコミュニケーションを損なう「わかりやすい」

コラム 1 塩漬けにする/補助線を待つ/人に聞く
     ―「わからない」ときはどうするか?

第II部 選ぶ― 専門外の専門書をどう選ぶか

第4章 「専門外」の四つのカテゴリー
第5章 【カテゴリー①】良質の科学史・社会文化史を読む
     ―遠い専門外の本を選ぶ
 科学史を読む―世界認識の歴史と人の営みとしての科学の姿に触れる
 社会文化史,歴史学史を読む― 市民科学の世界史的意義にも繋がる
第6章 【カテゴリー②】「大きな問い」と対立の架橋
     ―近い専門外の本を選ぶ
 「大きな問い」のある本
 対立を架橋する本
 著者の生き方としての学問を知ることができる3冊
第7章 【カテゴリー③】古典と格闘する―「メタ知識」を育む
 メタ知識としての古典が拓くもの
 プルタルコス『モラリア1 』を事例に
第8章 【カテゴリー④】現代的課題を歴史的視野から見る本

コラム 2 学識のある人を慕う,という本選び

第III部 読む―学術書の読書から現代を考える

第9章 博識は「ノオス」を教えない―速読・多読は大切か?
 「速読・多読」を強いるもう一つのパラダイム
 「確証バイアス」と速読・多読―「知識か情報か」ふたたび
 セネカの戒め
 本を塩もみして,芯を洗い出す
第10章 知の評価の在り方を変えよう
 サッカー選手と野球選手の価値を,取った得点で比較する?
 「知を数で計る」仕掛け人たち
 「知を数で計る」思考はどこから来たか
第11章 危機の時代を乗り越えるための知を
 「知を数で計る」ことと「わかりやすい」
 専門の知を越えた対話で,現実世界の見えない根に触れていく

あとがき―「対話型専門知」を求めて
参照文献
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