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自然と暮らしを結び直す

現代タイ農村の政治生態誌

藤田 渡

A5上製, 434 pages

ISBN: 9784814006472

pub. date: 03/26

  • Price : JPY 6,000 (with tax: JPY 6,600)
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内容

自然とともにあった自給自足的な暮らしに商品作物が導入され、豊かな生活を得た一方、気づけば生態系は崩れていた。この生活が長くは続かないと悟った人びとは、昔の生活に戻るのではなく、いまの暮らしと自然を新たに結び直そうとする。現代タイ農村における自然環境と人間社会の変化を、政治生態学と地域研究の視点から描き出す一冊。

プロフィール

藤田 渡(ふじた わたる)
大阪公立大学大学院現代システム科学研究科教授。
1971年三重県生まれ。2000年京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了、博士(人間・環境学)。京都大学東南アジア研究センター(現研究所)非常勤研究員、国立民族学博物館外来研究員、総合地球環境学研究所非常勤研究員、甲南女子大学文学部講師、同准教授、大阪府立大学(現大阪公立大学)准教授を経て、2023年より現職。専門は文化人類学・政治生態学の手法を用いた東南アジア地域研究。

目次

はじめに

第1章 いくつかの眼鏡──人と自然のアッサンブラージュと政治生態学
1 政治生態学
2 見えない権力とアッサンブラージュ
3 タイの農村がたどってきた道

第2章 コミュニティ林の時代──民主主義とパターナリズムが入り交じる
1 タイの森林をめぐる制度
2 コミュニティ林法
3 二〇〇七年までの論争の図式
4 二〇〇七年までの論争の広がりと法案のうつりかわり
5 二〇一四年クーデター後の森林政策とコミュニティ林法の成立
6 政策と権利/知識の政治

第3章 コミュニティ林の現場──「実践コミュニティ」と知識の政治
1 ローカル・コモンズの実践コミュニティをめぐる権力
2 パーテム国立公園のまわりでのコミュニティ林の広がり
3 コミュニティ林の実践コミュニティと権力
4 どうやって抗うのか
5 アッサンブラージュと抗いの手がかり

第4章 ゴム・ブームがやってきた──組み替えられる暮らしの生態系
1 ゴム・ブーム
2 政府のゴム振興策のなりゆき
3 ゴムを植えることにした人たち
4 組み替えられてゆく暮らしの世界

第5章 ゴム・ブームに抗えない社会──「豊かになりたい」を止められない
1 アクターたちの動き
2 村の社会とゴム・ブーム
3 タイ社会とゴム・ブームのアッサンブラージュ

第6章 飛びたった人たち──南部の「ホワイトカラー」農民
1 テイクオフ
2 タイのアブラヤシ
3 サイガーム村
4 村での農業のうつりかわりとアブラヤシ
5 ホワイトカラー農民とアブラヤシ
6 揺り戻しの動き
7 「ホワイトカラー」農業のアッサンブラージュはどこに向かうのか

第7章 政治の生態学──燃えるイサーン
1 もう貧しくないイサーン
2 「赤シャツ」と農民
3 赤シャツ支持の濃淡
4 二つの調査地の位置づけ
5 二つの調査地の違い──生業・暮らしぶり・環境
6 赤シャツ支持の濃淡──支持が強いTM村とそのまわり
7 おしなべて無関心だった地域──ナーコー村とそのまわり
8 赤シャツのあるとき/ないとき──生活世界をどうつくるのか
9 赤シャツのアッサンブラージュ

第8章 燃える南部──商品作物でどこまで豊かになれるのか
1 道路封鎖
2 南部の政治と社会
3 社会運動と人びとの感情
4 運動がどう始まり、終わったのか
5 農民たちの言い分
6 政府の言い分──なぜ農民とぶつかったのか
7 道路封鎖のアッサンブラージュ

第9章 新しい時代の兆し
──ブリラム県での有機米づくりとヒガシオオヅル野生復帰事業から
1 偶然の出合い
2 散播と農薬
3 村の人たちの動き
4 ヒガシオオヅル野生復帰事業
5 地元の人たちは後から知った
6 戻ってきた環境とヒガシオオヅル
7 新しい動きの兆し

第10章 政治生態学という眼鏡を通して見えたこと──むすびにかえて
1 コミュニティ林と森林の持続的な管理と利用のアッサンブラージュ
2 グローバルなゴム産業によるアッサンブラージュの組み替え
3 自然から飛びたつ
4 自然と暮らしを結び直すことはできるのか
5 農民・農村・自然をめぐる政治──大きなアッサンブラージュ


おわりに
引用文献
索引
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