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ニホンザルの自然社会

エコミュージアムとしての屋久島

高畑由起夫・山極寿一 編著

A5並製・250頁

ISBN: 9784876980871

発行年月: 2000/01

  • 本体: 2,400円(税込 2,640円
  • 在庫あり
 
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内容

日本の自然が圧縮された野生の宝庫・屋久島を舞台に、11 人の研究者が,ニホンザルを中心としたさまざまな研究の最新成果をわかりやすく紹介する.それとともに自然保護と猿害の問題、エコミュージアムの構想などにも触れながら、人々の暮らしと自然とのよりよい関係を築くために、研究者にとってどんな貢献が可能かを探る。

プロフィール

執筆者一覧(執筆順,*は編者)
*高畑由起夫(たかはたゆきお)関西学院大学総合政策学部,序章
*山極 寿一(やまぎわじゅいち)京都大学大学院理学研究科,序章
半谷 吾郎(はんやごろう)京都大学大学院理学研究科,第1章
座馬耕一郎(ざんまこういちろう)京都大学大学院理学研究科,第1章
好廣 眞一(よしひろしんいち)龍谷大学経営学部,第1章
野間 直彦(のまなおひこ)滋賀県立大学環境科学部,第2章
丸橋 珠樹(まるはしたまき)武蔵大学人文学部,第3章・第6章
古市 剛史(ふるいちたけし)明治学院大学教養部,第4章
杉浦 秀樹(すぎうらひでき)京都大学霊長類研究所,第5章
田中 俊明(たなかとしあき)東京大学大学院総合文化研究科,第5章
湯本 貴和(ゆもとたかかず)京都大学生態学研究センター,第7章

目次

序章 私たちはサルと屋久島から何を学んだのか? ✎ 高畑由起夫・山極寿一
I はじめに
II 調査の前史
III 調査が再開されてから
IV 新しい展開をもとめて

第一章 サルの分布を決めるもの ✎ 半谷吾郎・座馬耕一郎・好廣眞一
I はじめに
II サルを探す──屋久島の森で
III 海岸部での分布──ヒトによる経済活動の影響
IV 自然の中での垂直分布
V サルの密度を決める要因とは何か?
VI サルがいない場所、そして季節変化について
VII 最後に

第二章 サルと植物 ✎ 野間直彦
I 野生群の生息地、屋久島西部域の照葉樹林
II 種子を散布してもらう/散布する
III 豊作と不作:年ごとに果実の生産量は変動する
IV 最後に

第三章 ヤクシマザルの採食行動と群れの社会変動 ✎ 丸橋珠樹
I はじめに
II 屋久島西部林道の群れ
III 個体の採食行動について
IV 群れとしての採食 �遊動について
V 最後に──なぜ群れは消滅するのか?

第四章 雌と雄の生活史 ✎ 古市剛史
I はじめに
II ニホンザルの発達段階
III 雌の一生と社会関係の変遷
IV 雄の一生と社会関係の変遷
V おわりに

第五章 コミュニケーション ──クー・コールを通してニホンザルの心をのぞく ✎ 杉浦秀樹・田中俊明
I ニホンザルの声は「ウッキー」ではない
II ニホンザルは何種類の声をもっているか
III どういう時に「クー」と鳴くのか
IV ニホンザルの「会話」
V クー・コールを「似せる」ことを実験で確かめる
VI クー・コールの「方言」
VII 方言はいつ獲得されるか
VIII 方言はどうして生じたか
IX クー・コールについてのまとめ
X 音声以外のコミュニケーション

第六章 環境保全と自然保護  ✎ 丸橋珠樹
I はじめに
II 歴史の流れの中に──人と森の関わり
III 西部地域の保護問題
IV サルとヒト──猿害問題
V これからの人と自然の関係について

第七章 屋久島オープン・フィールド博物館への道  ✎ 湯本貴和
I 屋久島との出会い
II 第一次「屋久島オープン・フィールド博物館」構想
III 「あこんき塾」の結成
IV 「あこんき塾」から「屋久島オープン・フィールド博物館」へ
V 現存の中核施設と「屋久島オープン・フィールド博物館」
VI シンクタンクとしての「屋久島オープン・フィールド博物館」
VII エコ・ツーリズムと「屋久島オープン・フィールド博物館」

あとがきと謝辞
索引
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