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シリーズ群集生態学 4

生態系と群集をむすぶ

大串 隆之・近藤 倫生・仲岡 雅裕 編

A5並製,

ISBN: 9784876983469

pub. date: 10/08

  • Price : JPY 2,900 (with tax: JPY 3,190)
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内容

食う—食われるや資源をめぐる競争といった生物同士の関係は、物質循環やエネルギ ー循環を通して、生態系とどのように関わっているのだろうか。生態学的化学量論に 基づく群集生態学と生態系生態学の統合的アプローチが進展するなど、新しい成果が 食物網理論をはじめとする従来の生態学の一般理論を一新している。その最前線にせまる。

書評

「日経サイエンス」'09年1月号、127頁

プロフィール

(50音順,*は編者)

岩田 智也(いわた ともや) 山梨大学大学院医学工学総合研究部・准教授
専門分野:水域生態学
http://www.js.yamanashi.ac.jp/~iwata/

大串 隆之(おおぐし たかゆき) 京都大学生態学研究センター・教授
専門分野:進化生態学,個体群生態学,群集生態学,生態系生態学,生物多様性科学
主著:『Effects of Resource Distribution on Animal-Plant Interactions』 Academic Press(編著),『Ecological Communities: Plant Mediation in Indirect Interaction Webs』Cambridge University Press(編著),『Galling Arthropods and Their Associates: Ecology and Evolution』Springer(編著),『生物多様性科学のすすめ』丸善(編著),『さまざまな共生』平凡社(編著),『動物と植物の利用しあう関係』平凡社(編著)
http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~ohgushi/index.html

加賀田 秀樹(かがた ひでき) 京都大学生態学研究センター・研究員
専門分野:昆虫生態学,栄養生態学

工藤 岳(くどう がく) 北海道大学大学院地球環境科学研究院・准教授
専門分野:植物生態学,繁殖生態学
主著:『大雪山のお花畑が語ること:高山植物と雪渓の生態学』京都大学学術出版会,『高山植物の自然史:お花畑の生態学』北大図書刊行会(編著),『Ecology and Evolution of Flowers』 Oxford University Press(分担執筆)
http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~gaku/index.html

近藤 倫生(こんどう みちお) 龍谷大学理工学部・准教授
専門分野:理論生態学,群集生態学,進化生態学
主著:『Dynamic Food Webs: Multispecies Assemblages, Ecosystem Development, and Environmental Change』Academic Press(分担執筆),『Aquatic Food Webs: an Ecosystem Approach』Oxford University Press(分担執筆)

陀安 一郎(たやす いちろう) 京都大学生態学研究センター・准教授
専門分野:同位体生態学,水域生態学,土壌生態学
主著:『土壌動物学への招待:採集からデータ解析まで』東海大学出版会(分担執筆),『生物の多様性ってなんだろう?:生命のジグソーパズル』京都大学学術出版会 (分担執筆),『流域環境評価と安定同位体:水循環から生態系まで』京都大学学術出版会(分担執筆)
http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~tayasu/index_j.html

土居 秀幸(どい ひでゆき) Institute for Chemistry and Biology of the Marine Environment, Carl-von-Ossietzky University Oldenburg;日本学術振興会海外特別研究員
専門分野:生態系生態学,水域生態学,群集生態学
http://ecologyweb.web.fc2.com/doi/index.html

仲岡 雅裕(なかおか まさひろ) 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター・教授
専門分野:海洋生態学,個体群生態学,群集生態学
主著:『海洋ベントスの生態学』東海大学出版会(分担執筆),『三陸の海と生物:フィールドサイエンスの新しい展開』 サイエンティスト社(分担執筆)
http://fox243.hucc.hokudai.ac.jp/nakaoka/

三木 健(みき たけし) Institute of Oceanography, National Taiwan University; Assistant Professor
専門分野:数理生態学,群集生態学,微生物生態学

宮下 直(みやした ただし) 東京大学大学院農学生命科学研究科・准教授
専門分野:個体群生態学,群集生態学,保全生態学
主著:『保全生物学』東京大学出版会(分担執筆),『クモの生物学』東京大学出版会(編著),『群集生態学』東京大学出版会(共著),『環境と生物進化』放送大学教育振興会(分担執筆)
http://www.es.a.u-tokyo.ac.jp/bs/staff/miya/index.html

目次

口絵
はじめに

第1章 元素で読み解く食物連鎖(加賀田秀樹)
1 はじめに
2 生物体を構成する元素と陸上生態系内での循環
3 生物がもつ化学量
4 「食う側」と「食われる側」の化学量論
5 化学量論からみた陸上生態系
6 まとめと今後の展望

第2章 生物群集が支える湖沼生態系の物質循環(土居秀幸)
1 はじめに
2 湖沼生態系の生物群集と物質循環のつながり
3 生態化学量論と生物群集
4 生物群集が不連続的な富栄養化の状態に及ぼす影響
5 地球温暖化が物質循環と生物群集に与える影響
6 まとめと展望

コラム 群集生態学の研究に用いる同位体解析(陀安一郎)
1 はじめに
2 安定同位体比を用いた食物網解析の原理
3 食物網解析における注意点と生物間相互作用
4 群集生態学における新しいツールとしての同位体と今後の発展課題

第3章 地上と土壌の相互作用
——食物網,物質循環,物理的環境改変を結ぶ(宮下 直)
1 はじめに
2 植物・デトリタス・栄養塩を介した化学的関係
3 植食者による土壌の物理的改変
4 植物を直接介さない関係
5 まとめと展望

第4章 陸域と水域の生態系をつなぐ——流域動脈説の提唱(岩田智也)
1 生態系間を横断する物質
2 群集生態学における生態系間相互作用
3 生態系生態学における生態系間相互作用
4 生態系間相互作用のパターン
5 流域動脈説—栄養流を介した陸域と水域の相互作用
6 生態系間を伝搬する人為影

第5章 群集—環境間のフィードバック
——生物多様性と生態系機能のつながりを再考する(三木 健)
1 生物多様性と生態系機能研究の現在
2 生物の進化と生物多様性,生態系機能
3 環境・群集・機能の相互関係
4 生物多様性と生態系機能のダイナミクス
5 今後の課題
6 おわりに

第6章 ランドスケープフェノロジー
——植物の季節性を介した生物間相互作用(工藤 岳)
1 はじめに
2 植物群集の開花フェノロジー構造
3 森林生態系のフェノロジーを介した生物間相互作用
4 高山生態系における送粉系の季節動態と遺伝子流動
5 地球温暖化がフェノロジー構造に及ぼす影響
6 フェノロジー構造がもたらすさまざまな生物間相互作用
7 まとめと今後の展望

第7章 気候変動にともなう沿岸生態系の変化
——生物群集から考える(仲岡雅裕)
1 はじめに
2 地球規模の気候変動が沿岸海洋生物に与える影響
3 生物群集の変化を複雑にする複合効果,間接効果,進化的反応
4 生物群集の変化が生態系に与える影響
5 地球規模の気候変動の影響評価に向けた統合的アプローチの提唱
6 おわりに

終 章 生物群集と生態系をむすぶ(仲岡雅裕・近藤倫生・大串隆之)
1 はじめに
2 生態系機能とは何か?
3 物質循環研究の発展は群集生態学の可能性をひろげる
4 時空間スケールをひろげる
5 環境・群集・生態系をつなぐ
6 新たな課題に向けて
7 社会的な課題への挑戦

引用文献
索  引
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