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学術選書 017

素粒子の世界を拓く

湯川秀樹・朝永振一郎の人と時代

湯川・朝永生誕百年企画委員会 編集 佐藤 文隆 監修

四六並製・235頁

ISBN: 9784876988174

発行年月: 2006/10

  • 本体: 1,500円(税込 1,650円
  • 在庫なし
 
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内容

湯川・朝永から南部・小林・益川まで、日本の理論物理学の歴史と背景を活写。
巨大科学に成長した物理学も人の歴史に他ならない。素粒子物理学の世界を創造してノーベル賞に輝き、戦禍から復興する勇気を与えた湯川・朝永の生誕から百年——日本の誇る科学史を珠玉の評伝として読み、豊かな営みとしての科学を再生するために、物理学の巨人を育んだ時代を知り、二一世紀に生きる我々にとって持つ意味を考える。

書評

『科学』2007年5月号、543-544頁、評者:橋本幸士

プロフィール

佐藤文隆(さとう ふみたか)
京都大学名誉教授、甲南大学教授。

1938年生まれ、1960年京都大学理学部卒業、京都大学助手、助教授を経て、1974年から京都大学教授。
日本を代表する一般相対性理論の研究者であり、特に1972〜73年にかけて冨松彰とともに発見したアインシュタインの重力方程式の新しい解(「冨松・佐藤解」)は、ブラックホールについての構造を解明するきわめてユニークな発見として、世界の研究者に大きな影響をあたえる。
また、京都大学基礎物理学研究所長、京都大学理学部長、日本物理学会会長、日本学術会議会員などを歴任し、物理学のみならず、日本の自然科学の発展を指導。
その一方で、宇宙論、物理学を中心に研究書から一般向けの教養書、数多くのエッセイまで多数の著作を著し、2000年以降の日本語による発表物だけでも、その数は100を越える。出版を通じた自然科学の普及、科学ジャーナリズムの発展にも尽力。

江沢 洋 えざわ ひろし
1932年生まれ、1955年東京大学理学部卒業、東京大学助手、学習院大学助教授、教授、日本物理学会会長、日本学術会議会員、などを歴任。場の量子論、数理物理を専攻。朝永の全集、ビデオ、岩波文庫、仁科書簡などを編纂。

小沼通二 こぬま みちじ
1931年生まれ、1954年東京大学理学部卒業、東京大学助手、京都大学基礎物理学研究所助教授、慶應大学教授、日本物理学会会長、アジア太平洋物理学連合会長などを歴任。素粒子物理を専攻。中間子論成立の研究、湯川、朝永の平和運動を支援、パグウォッシュ会議評議員。

目次

はしがき
序章 量子力学と原子核の登場まで

第一部 二人の歩んだみち

第一章 生い立ち——物理学に志すまで
第二章 湯川の中間子論——未知の荒野へ
第三章 朝永のくりこみ理論——場の量子論の完成
第四章 戦後の科学復興と平和運動

第二部 二人の時代

第五章 京大教授の息子たち
第六章 一中・三高・京大——二人が学んだユニークな学校
第七章 量子物理黎明期の日本 
第八章 拓かれた素粒子の世界

終章  二人が問いかけるもの

付録☆さらに知りたい人のための案内
   A 記念室紹介
   B 読書案内
   C 文献案内
   D 人名・用語解説
あとがき
索引
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