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女性専用車両という公共空間から排除される者はいったい誰か? 中年シングル男性はなぜ地域や職場に居場所がないのか? 空間や場所といった地理学的概念をジェンダーやセクシュアリティの視点、かつ男性としてのポジショナリティから批判的に分析し、現代日本社会における空間にひそむ諸問題の可視化に挑戦する。
【著者紹介】
村田 陽平(むらた・ようへい)
2005年 京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了,京都大学博士(文学)
現在 日本学術振興会特別研究員(名古屋大学大学院環境学研究科)
<その他の著作>
・健康と男性に関する研究・序説:たばこ広告「HOPE」にみられる男性の喫煙表象を事例に『ジェンダーと交差する健康/身体:健康とジェンダー?』(明石書店,2005年)
・未成年者の喫煙対策と喫煙マナー広告:「大人たばこ養成講座」広告にみられる価値観の問題性から『保健医療科学』第54巻4号(国立保健医療科学院,2005年)
村田 陽平(むらた・ようへい)
2005年 京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了,京都大学博士(文学)
現在 日本学術振興会特別研究員(名古屋大学大学院環境学研究科)
<その他の著作>
・健康と男性に関する研究・序説:たばこ広告「HOPE」にみられる男性の喫煙表象を事例に『ジェンダーと交差する健康/身体:健康とジェンダー?』(明石書店,2005年)
・未成年者の喫煙対策と喫煙マナー広告:「大人たばこ養成講座」広告にみられる価値観の問題性から『保健医療科学』第54巻4号(国立保健医療科学院,2005年)
序―「空間の男性学」の射程
第?部 ジェンダー地理学の課題
第1章 男性建築家による空間とジェンダー
岐阜県営住宅ハイタウン北方・南ブロック
1 はじめに
(1)空間論とポジショナリティ/(2)研究対象の概要
2 コーディネーター・磯崎新のコンセプト
3 住民からみた居住性の問題
(1)データの概要/(2)居住空間/(3)共用空間/(4)女性設計者
4 女性設計者による空間設計の意図
(1)居住空間/(2)共用空間/(3)ジェンダー認識
5 岐阜県という場所のコンテクスト
(1)ジェンダー政策の実状/(2)公営住宅政策の問題
6 小 括
第2章 日本のジェンダー地理学の潮流と課題
男性研究の必要性
1 はじめに
2 日本の地理学界の「性比」―数量的検討
3 ジェンダー地理学の研究史
(1)夜明け前―1990年代前半まで/(2)夜明け―1990年代後半から
4 地理学におけるジェンダー認識の問題
(1)ジェンダー概念の「女性化」/(2)翻訳への偏向/(3)セクシュアリティの欠如
5 小 括
第?部 ジェンダー地理学の実践
第3章 男性を疎外する空間
中年シングル男性の場合
1 はじめに
2 中年シングル男性という存在
(1)研究対象/(2)研究方法―男性の声を聞くことの困難性
3 中年シングル男性の語りから
(1)地方/(2)職場/(3)住まい/(4)都市
4 男性にとっての空間の意味
5 小 括
第4章 異性愛男性をめぐる空間のポリティクス
政治家の性差別発言を通じて
1 はじめに
2 セクシュアリティと空間のポリティクス
(1)フェミニスト研究/(2)同性愛男性研究
3 「西村発言」にみる空間のポリティクス
(1)発言の概要/(2)性差別と政治空間/(3)『週刊プレイボーイ』誌の場所性/(4)男性の異性愛の再生産
4 異性愛男性の異議申し立て―その場所の経験
5 小 括
第5章 日常空間における「男性」という性別の意味
セクシュアルマイノリティの視点から
1 はじめに
2 「外見の性」という概念
3 日常空間における「外見の性」の諸相
(1)性別二分化された空間/(2)「外見の性」を二分化するまなざし
4 「外見の性」が男性であること
(1)画一性/(2)抑圧性/(3)意味づける主体/(4)「男性」という性別の規定
5 「女性専用車両」による男性カテゴリーの生成
6 小 括
第6章 喫煙表象にみる男性身体と空間
たばこ広告のジェンダー
1 はじめに
2 身体と空間研究
(1)地理学/(2)パーソナルスペース研究
3 たばこ広告を取り上げる意義
4 たばこ広告の男性身体と空間表象
(1)自然と対峙する身体/(2)「語る」身体/(3)女性の視線を伴う身体/(4)煙を発する身体/(5)同性と距離をとる身体
5 小 括
第?部 ジェンダー地理学の理論
第7章 空間・アイデンティティ・カテゴリーの認識論
男性のポジショナリティの再定義
1 はじめに
2 従来の認識論
(1)戦略的本質主義―二段階の空間論/(2)クィア理論―空間の解体
3 クィア理論による世界観の再検討
(1)アイデンティティか,空間か/(2)円環的図式の問題/(3)哲学的背景
4 現象学的世界観の可能性
(1)従来の現象学理解/(2)日常空間における「男性」認識/(3)認識論の独自性
5 結びにかえて
おわりに―研究の背景
文 献 191
索 引 207
初出一覧 209
第?部 ジェンダー地理学の課題
第1章 男性建築家による空間とジェンダー
岐阜県営住宅ハイタウン北方・南ブロック
1 はじめに
(1)空間論とポジショナリティ/(2)研究対象の概要
2 コーディネーター・磯崎新のコンセプト
3 住民からみた居住性の問題
(1)データの概要/(2)居住空間/(3)共用空間/(4)女性設計者
4 女性設計者による空間設計の意図
(1)居住空間/(2)共用空間/(3)ジェンダー認識
5 岐阜県という場所のコンテクスト
(1)ジェンダー政策の実状/(2)公営住宅政策の問題
6 小 括
第2章 日本のジェンダー地理学の潮流と課題
男性研究の必要性
1 はじめに
2 日本の地理学界の「性比」―数量的検討
3 ジェンダー地理学の研究史
(1)夜明け前―1990年代前半まで/(2)夜明け―1990年代後半から
4 地理学におけるジェンダー認識の問題
(1)ジェンダー概念の「女性化」/(2)翻訳への偏向/(3)セクシュアリティの欠如
5 小 括
第?部 ジェンダー地理学の実践
第3章 男性を疎外する空間
中年シングル男性の場合
1 はじめに
2 中年シングル男性という存在
(1)研究対象/(2)研究方法―男性の声を聞くことの困難性
3 中年シングル男性の語りから
(1)地方/(2)職場/(3)住まい/(4)都市
4 男性にとっての空間の意味
5 小 括
第4章 異性愛男性をめぐる空間のポリティクス
政治家の性差別発言を通じて
1 はじめに
2 セクシュアリティと空間のポリティクス
(1)フェミニスト研究/(2)同性愛男性研究
3 「西村発言」にみる空間のポリティクス
(1)発言の概要/(2)性差別と政治空間/(3)『週刊プレイボーイ』誌の場所性/(4)男性の異性愛の再生産
4 異性愛男性の異議申し立て―その場所の経験
5 小 括
第5章 日常空間における「男性」という性別の意味
セクシュアルマイノリティの視点から
1 はじめに
2 「外見の性」という概念
3 日常空間における「外見の性」の諸相
(1)性別二分化された空間/(2)「外見の性」を二分化するまなざし
4 「外見の性」が男性であること
(1)画一性/(2)抑圧性/(3)意味づける主体/(4)「男性」という性別の規定
5 「女性専用車両」による男性カテゴリーの生成
6 小 括
第6章 喫煙表象にみる男性身体と空間
たばこ広告のジェンダー
1 はじめに
2 身体と空間研究
(1)地理学/(2)パーソナルスペース研究
3 たばこ広告を取り上げる意義
4 たばこ広告の男性身体と空間表象
(1)自然と対峙する身体/(2)「語る」身体/(3)女性の視線を伴う身体/(4)煙を発する身体/(5)同性と距離をとる身体
5 小 括
第?部 ジェンダー地理学の理論
第7章 空間・アイデンティティ・カテゴリーの認識論
男性のポジショナリティの再定義
1 はじめに
2 従来の認識論
(1)戦略的本質主義―二段階の空間論/(2)クィア理論―空間の解体
3 クィア理論による世界観の再検討
(1)アイデンティティか,空間か/(2)円環的図式の問題/(3)哲学的背景
4 現象学的世界観の可能性
(1)従来の現象学理解/(2)日常空間における「男性」認識/(3)認識論の独自性
5 結びにかえて
おわりに―研究の背景
文 献 191
索 引 207
初出一覧 209