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チンパンジーの認知と行動の発達

友永雅己・田中正之・松沢哲郎 編著

菊上製・508頁

ISBN: 9784876986118

発行年月: 2003/02

  • 本体: 4,000円(税別)
  • 在庫あり
 
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内容

京都大学霊長類研究所の3組のチンパンジー母子を、参与観察研究という、新しいスタイルで追う。周産期の所見や新生児・乳児期の初期行動、赤ん坊の社会的認知発達、運動機能、母子間の相互交渉など、その発達の過程が、を生き生きとした動画・音声で示される。この分野の既存研究書に例のないCD-ROMを付した画期的企画。

プロフィール

友永雅己(ともなが まさき)

京都大学霊長類研究所 行動神経研究部門 思考言語分野 助教授 博士(理学)
1964年生まれ。1991年大阪大学人間科学研究科単位取得退学。
日本学術振興会特別研究員、京都大学霊長類研究所助手を経て現職。

田中正之(たなか まさゆき)

京都大学霊長類研究所 行動神経研究部門 思考言語分野 助手 博士(理学)
1968年生まれ。1993年京都大学大学院理学研究科修士課程修了。
日本学術振興会特別研究員、財団法人東京都老人総合研究所言語・認知部門研究助手を経て現職。

松沢哲郎(まつざわ てつろう)

京都大学霊長類研究所 行動神経研究部門 思考言語分野 教授 理学博士
1950年生まれ・1974年京都大学文学部哲学科卒業、大学院進学。
京都大学霊長類研究所助手、助教授を経て現職。

目次

チンパンジーの認知と行動の発達―序にかえて
第1章(総論) 三者関係に基づく参与観察研究―
比較認知発達研究の新しいパラダイム
第2章 周産期の研究
2-1 総 論
2-2 チンパンジーの出産と子育て
       ―アイ,クロエ,パンの出産に至るまで
2-3 チンパンジーの繁殖計画
2-4 尿中ホルモンからみたチンパンジーの月経周期と妊娠
2-5 チンパンジー胎児の心拍の発達的変化
2-6 胎児の学習と記憶
第3章 新生児期の認知と行動
3-1 総 論
3-2 睡眠―覚醒状態の発達的変化
3-3 チンパンジー新生児における自発的微笑の発達的変化
3-4 チンパンジーにおける味覚の発達
3-5 新生児・乳児期における表情の模倣
第4章 乳児期の知覚と認知
4-1 総 論
4-2 生物的運動の知覚
4-3 陰影による奥行き知覚の発達
4-4 顔図形の認識
4-5 母親の顔の認識
4-6 匂いに対する反応
4-7 匂い手がかりに基づく母親の識別
4-8 「数」の大小の判断
4-9 発達初期のカテゴリ化能力:ヒト乳児との比較
4-10 タッチスクリーンを用いたなぐり描きの記録
第5章 乳児期の対象操作能力の発達
5-1 総 論
5-2 定位操作の発達―ヒトとの比較
5-3 砂の対象操作行動の分析―1歳齢と2歳齢での比較
5-4 物を利用した「水飲み」行動の発現
5-5 乳児における物の受け渡し
第6章 乳児期の社会的認知の発達
6-1 総 論
6-2 音声に対する応答の発達的変化
6-3 ルーティング反応と生態学的自己
6-4 サッキング反応の自己制御
6-5 自己鏡映像認知の発達的変化
6-6 自己の名前概念の獲得
6-7 画面の中の他者への注視
6-8 他者の視線の検出
6-9 他者の視線と身振りの理解と利用
第7章 個体間の相互交渉とその発達
7-1 総 論
7-2 最も近くにいるのは誰か
       ―「ニアレスト・ネイバーズ」の発達的変化
7-3 母親による子どもの運搬
7-4 物体の動きの因果性理解と社会的参照との関連
       ―ヒト乳児との直接比較による検討
7-5 母子間における食物を介した相互交渉と食物の分配
7-6 母子の食物選択性の推移と相関
7-7 母子における対象物の好みにおよぼす刺激強調の効果
7-8 物の操作と相互交渉―複数母子同居場面への遊具の導入
7-9 道具使用の母子間伝播
7-10タッチパネル課題の獲得
7-11トークン実験における乳児の課題獲得過程
第8章 身体成長と運動機能の発達
8-1 総 論
8-2 乳児のジェネラルムーブメント
8-3 姿勢反応の発達
8-4 床上移動様式の発達
8-5 乳児期の成長と生物学的年齢
8-6 声道形状の成長変化
第9章 新生児・乳児の比較認知発達研究
9-1 総 論
9-2 ニホンザル新生児における自発的微笑
9-3 霊長類における新生児期の表情模倣
       ―ヒト・チンパンジーとの比較
9-4 マカクザル乳児における生物的運動の知覚
9-5 マカクザル乳児における顔図形の認識
9-6 テナガザル乳児における顔の認識の発達
9-7 ヒトおよびニホンザル乳児における母親顔の認識の発達
9-8 ニホンザル幼児におけるカテゴリ弁別―回避反応テストを用いて
9-9 ヒトおよびニホンザル乳児における視聴覚情報に関する「初期知識」
9-10 テナガザルにおける認知・行動発達
9-11 ボノボとゴリラ乳児の対象操作の発達
第10章 成体チンパンジーにおける比較認知研究
10-1 総 論
10-2 視覚認知への比較認知科学的アプローチの可能性
10-3 チンパンジーにおける色の知覚
10-4 チンパンジーの推移律とその般化について
10-5 チンパンジーの短期記憶
10-6 ヒトとチンパンジーの数字の序列化課題における認知方略
10-7 チンパンジーにおける動画の記憶
10-8 感覚性強化手続きを用いたチンパンジーにおける視覚的好みの検討
10-9 チンパンジーの粘土遊び―彼らの造形能力
10-10 チンパンジーにおける砂の対象操作の実験的分析
10-11 他者の介在がチンパンジーの描画行動に与える効果
10-12 チンパンジー成体における名前認知
10-13 チンパンジー個体間の役割分担
第11章 飼育環境とその利用―環境エンリッチメントの試み
11-1 総 論
11-2 チンパンジー飼育施設の環境エンリッチメント
11-3 チンパンジー乳児の環境利用
11-4 環境エンリッチメント
あとがき
索  引
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