水文学・水工計画学

椎葉充晴・立川康人・市川 温 著

菊上製・640頁・税込 5,832円
ISBN: 9784876982479
発行年月: 2013/02
在庫あり

内容

水循環を扱う水文学は、私たちの生活と密接に関わる実際的問題に対応するための基礎科学であり、工学的な応用分野・水工計画学の基礎をなす。まず基本的な水文素過程の基礎式・分布型降雨流出モデルの構成とその集中化手法を述べる。続いて計画予知と実時間予知を解説し、これらの予測を実現するためのモデリングなどの応用分野を述べる。

目次

第Ⅰ部 水文学

第1章 地表面付近の雨水流動
 1.1 流出過程
 1.2 水文流出系におけるキネマティックウェーブ理論
 1.3 山腹斜面系での流れのモデル化
 1.4 地形形状効果の導入
 1.5 流出場の平面構造の不均一性と流出形態
 1.6 特性曲線法によるキネマティックウェーブモデルの解法
 1.7 差分法によるキネマティックウェーブモデルの数値解法
 参考文献
第2章 飽和・不飽和帯の雨水流動
 2.1 土壌中の流れのモデル化
 2.2 飽和・不飽和流の基礎式の誘導
 2.3 飽和・不飽和流の数値解法
 2.4 浸透能式
 参考文献
第3章 地下水流動
 3.1 地下水と帯水層
 3.2 地下水流動の支配方程式の誘導
 3.3 平面二次元の地下水流の基礎式
 3.4 地下水流の数値解法
 参考文献
第4章 河川流と洪水追跡
 4.1 流出システムにおける河川流の役割
 4.2 河川流の水理学的追跡法
 4.3 河川流の水文学的追跡法
 4.4 水理学的追跡法の数値解法
 参考文献
第5章 蒸発散と陸面水文過程モデル
 5.1 地表面における熱収支と顕熱・水蒸気の輸送
 5.2 陸面水文過程モデル
 参考文献
第6章 河道網と流域地形の数理表現
 6.1 河道網構造の数理表現手法
 6.2 河道網流れの最適計算順序
 6.3 流域地形の数理表現手法
 6.4 グリッド形式の地形情報を用いた流域地形のモデル化
 6.5 流域地形データを生成する計算機アルゴリズム
 6.6 分布型流出モデル構成のための流域地形データの処理
 参考文献
第7章 分布型降雨流出モデルの構成
 7.1 グリッド形式の地形情報を用いた分布型降雨流出モデル
 7.2 分布型降雨流出モデルを用いた流出計算例
 7.3 分布型土砂流出モデルへの展開
 参考文献
第8章 分布型流出モデルの集中化
 8.1 流出モデルの集中化
 8.2 単一矩形斜面でのキネマティックウェーブモデルの集中化
 8.3 山腹斜面系キネマティックウェーブモデルの集中化
 8.4 河道網キネマティックウェーブモデルの集中化
 8.5 流れの場の集中化
 8.6 流出モデルの構成単位の大きさと集中化手法
 参考文献

第Ⅱ部 水工計画学

第9章 水文量の頻度解析
 9.1 治水計画の基本的な考え方
 9.2 河川整備基本方針と河川整備計画
 9.3 確率年とT 年確率水文量
 9.4 水文量の確率分布モデル
 9.5 確率分布モデルの母数推定
 9.6 確率分布関数の適合度評価
 9.7 リサンプリング手法による確率水文量の不確実性の評価
 9.8 非定常性を考慮した水文頻度解析モデル
 9.9 確率降雨強度曲線(IDF 曲線)
 9.10 総合確率法
 参考文献
第10章 水文量の時系列解析と時系列シミュレーション
 10.1 水文時系列解析の目的
 10.2 様々な水文時系列データ
 10.3 時系列モデル
 10.4 時系列モデルを用いた水文時系列の模擬発生
 10.5 ポイントプロセスモデル
 10.6 乱数の発生手法
 参考文献
第11章 流出システムのモデル化
 11.1 流出システムと流出モデル
 11.2 集中型流出モデル
 11.3 分布型流出モデル
 11.4 流出系を構成する様々な要素モデル
 11.5 ダム流水制御モデル
 11.6 流出モデルによる予測の不確かさ
 参考文献
第12章 水理・水文モデリングシステム
 12.1 水理・水文モデリングシステムとは
 12.2 OHyMoS を用いた水理・水文モデルの構成
 12.3 OHyMoS による要素モデルの実装例
 12.4 OHyMoS の直接通信機能を用いた要素間反復計算
 12.5 CommonMP を用いた水理・水文モデルの構成
 参考文献
第13章 水害に対する流域管理的対策の費用便益評価
 13.1 流域管理的対策の費用便益評価の手順
 13.2 立地均衡モデルの構成
 13.3 流域管理的対策のモデル化と費用便益の計測
 13.4 寝屋川流域への適用
 13.5 土地利用規制とハード的対策との費用の比較
 参考文献
第14章 運動学的手法による実時間降雨予測
 14.1 運動学的手法による降雨予測
 14.2 移流ベクトルと雨域の発達・衰弱量の分析
 14.3 移流モデルによる降雨予測
 14.4 短時間降雨予測手法の展開
 参考文献
第15章 実時間流出予測の基礎理論
 15.1 実時間流出予測システムの基本的な考え方
 15.2 確率過程的状態空間モデルによる降雨流出系の表現
 15.3 線形フィルタ理論
 15.4 非線形関数の統計的近似の理論
 15.5 非線形フィルタ理論
 15.6 予測更新—離散時間線形システムの場合
 15.7 予測更新—降雨流出システムの場合
 15.A カルマンフィルタの誘導
 15.B FORTRAN サブルーチン
 参考文献
第16章 実時間流出予測の実際
 16.1 実時間流出予測の手順
 16.2 カルマンフィルタを用いた実時間流出予測
 16.3 拡張カルマンフィルタを用いた実時間流出予測
 16.4 統計的二次近似フィルタを用いた実時間流出予測
 16.5 粒子フィルタを用いた実時間水位予測
 16.6 ラオ・ブラックウェル化した粒子フィルタを用いた実時間流出測
 16.7 様々なフィルタリング・予測システムの開発
 参考文献

索引

プロフィール

椎葉充晴(しいば・みちはる)
 1972 年 京都大学工学部卒業
 1974 年 京都大学大学院工学研究科修士課程修了
 1974 年 京都大学工学部助手
 1985 年 京都大学工学部講師
 1986 年 京都大学工学部助教授
 1995 年 京都大学防災研究所教授
 1997 年 京都大学大学院工学研究科教授
 2002 年 京都大学大学院地球環境学堂教授
 2007 年 京都大学大学院工学研究科教授
      現在に至る
      京都大学工学博士

立川康人(たちかわ・やすと)
 1987 年 京都大学工学部卒業
 1989 年 京都大学大学院工学研究科修士課程修了
 1990 年 京都大学工学部助手
 1996 年 京都大学防災研究所助教授
 2007 年 京都大学大学院工学研究科准教授
      現在に至る
      京都大学博士(工学)

市川 温(いちかわ・ゆたか)
 1993 年 京都大学工学部卒業
 1995 年 京都大学大学院工学研究科修士課程修了
 1997 年 京都大学防災研究所助手
 2000 年 京都大学大学院工学研究科助手
 2008 年 山梨大学大学院医学工学総合研究部准教授
      現在に至る
      京都大学博士(工学)