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デカルトをめぐる論戦

安孫子信・出口康夫・松田克進 編

A5上製・330頁

ISBN: 9784876982646

発行年月: 2013/03

  • 本体: 4,200円(税込 4,620円
  • 在庫あり
 
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内容

近世の哲学はデカルトから始まる。それ以降の哲学とは,哲学者たちがデカルト主義をめぐって戦った論争の歴史と言ってもよい。そのデカルト研究の,わが国における泰斗,小林道夫氏に対して,近世哲学,現代科学哲学の専門家がそれぞれの立場から論争を挑む。

プロフィール

小林道夫(こばやし・みちお)
1945年生まれ。1974年京都大学大学院文学研究科博士課程哲学専攻単位取得満期退学。同年10月にリヨン第3大学博士課程にフランス政府給費留学生として留学。1976年パリ第4大学(パリ・ソルボンヌ大学)博士課程に転学,1979年同大学にてDocteur de 3e cycleを取得し,同課程を修了。コレージュ・ド・フランス哲学講座助手,大阪市立大学文学部教授,京都大学大学院文学研究科教授を経て,現在,京都大学名誉教授,龍谷大学文学部特任教授。『デカルト哲学とその射程』により2000年に和辻哲郎文学賞(学術部門),『デカルトの自然哲学』により2001年に日本学士院賞,『哲学の歴史』(責任編集)により2008年毎日出版文化賞特別賞を受賞した。
主な著訳書
主な著書にLa philosophie naturelle de Descartes (J. Vrin, Paris),『デカルト哲学の体系—自然学・形而上学・道徳論』(勁草書房),『科学哲学』(産業図書),『デカルトの自然哲学』(岩波書店),『デカルト哲学とその射程』(弘文堂),『デカルト入門』(ちくま新書),『科学の世界と心の哲学』(中公新書)。主な訳書に,デカルト『哲学の原理』(共訳),ピエール・デュエム『物理理論の目的と構造』(共訳)

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塩川徹也(しおかわ・てつや)【第一章】
東京大学名誉教授,日本学士院会員
主な著訳書
Entre foi et raison: l'autorité. Études pascaliennes(Honoré Champion),『発見術としての学問—モンテーニュ,デカルト,パスカル』(岩波書店),『パスカル考』(岩波書店)

松田克進(まつだ・かつのり)【編者,第二章】
広島修道大学人間環境学部教授
主な著訳書
『スピノザの形而上学』(昭和堂),『近世哲学史点描—デカルトからスピノザへ』(行路社)

中釜浩一(なかがま・こういち)【第三章】
法政大学文学部教授
主な著訳書
「自然観の相克」(共著,『宇宙論の闘争』岩波書店),「科学論の帰趨」(共著,『科学技術のゆくえ』ミネルヴァ書房),「ホワイトヘッド」(共著,『哲学の歴史8』中央公論新社)

松田 毅(まつだ・つよし)【第四章】
神戸大学人文学研究科教授
主な著訳書
Der Satz vom Grund und die Reflexion-Identität und Differenz bei Leibniz(Peter Lang),『ライプニッツの認識論』(創文社),『哲学の歴史』第5巻『デカルト革命』共著(中央公論新社)

山本道雄(やまもと・みちお)【第五章】
関西看護医療大学特任教授,神戸大学名誉教授
主な著訳書
『改訂増補版カントとその時代 ドイツ啓蒙思想の一潮流』(晃洋書房),「カントと一八世紀啓蒙哲学—「わが上なる星しげ空とわが内なる道徳法則」(岩波書店『カント全集別巻』),「ヴォルフ『世界論』第三部—世界・自然・秩序,ヴォルフ『世界』論研究完結編」(神戸大学哲学懇話会編『愛知』第24号)

伊藤邦武(いとう・くにたけ)【第六章】
京都大学大学院文学研究科教授
主な著訳書
『物語 哲学の歴史』(中公新書),『パースの宇宙論』(岩波書店),『ケインズの哲学』(岩波書店)

安孫子信(あびこ・しん)【編者,第七章】
法政大学文学部教授
主な著訳書
Dissémination de l'évolution créatrice de Bergson(OLMS共編),ピエール・デュエム『物理理論の目的と構造』(共訳,勁草書房)

美濃 正(みの・ただし)【第八章】
大阪市立大学大学院文学研究科教授
主な著訳書
『心の科学と哲学:コネクショニズムの可能性』(共編,昭和堂),『知識と実在:心と世界についての分析哲学』(共編,世界思想社),「心的因果と物理主義」(信原幸弘編『シリーズ心の哲学¥外字(8151) 人間篇』,勁草書房)

出口康夫(でぐち・やすお)【編者,第九章】
京都大学大学院文学研究科准教授
主な著訳書
『応用哲学を学ぶ人のために』(共編,世界思想社),『これが応用哲学だ!』(共編,大隅書店),『心と社会を科学する』(共著,東京大学出版会)

戸田山和久(とだやま・かずひさ)【第十章】
名古屋大学情報科学研究科教授
主な著訳書
『論理学をつくる』(名古屋大学出版会),『知識の哲学』(産業図書),『科学哲学の冒険—サイエンスの目的と方法をさぐる』(日本放送出版協会)

目次

凡 例

はじめに [安孫子 信]

第一部 哲学史編

第一章 「〈私〉とは何か」——パスカルの〈私〉とデカルトの〈私〉 [塩川徹也]
第二章 スピノザによる〈経験的〉なデカルト批判 [松田克進]
第三章 懐疑の役割——デカルトとヒューム [中釜浩一]
第四章 ライプニッツとデカルト
 ——科学の形而上学的基礎づけと無限小をめぐって [松田 毅]
第五章 カントの「経験的実在論」について [山本道雄]
 ——小林道夫氏のカント解釈に寄せて
第六章 パースのデカルト批判 [伊藤邦武]
第七章 ベルクソンとデカルト [安孫子 信]

第一部への答弁 [小林道夫]

第二部 現代哲学編

第八章 誰よりも偉大なデカルト
 ——デカルト=小林道夫氏の心の哲学について [美濃 正]
第九章 科学的実在論から超越論的哲学へ [出口康夫]
第十章 自然主義批判を批判する [戸田山和久]

第二部への答弁 [小林道夫]

戦いを終えて [出口康夫・松田克進]

人名索引
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