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情報とフィールド科学 4

被災地に寄り添う社会調査

西 芳実

A5並製・72頁

ISBN: 9784814000371

発行年月: 2016/03

  • 本体: 700円(税込 770円
  • 在庫あり
 
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内容

「この事態に学問は何の役に立つのか?」相次ぐ災害を前に,多くの研究者が強く自問した。しかし,被災社会をを深く理解すれば,復興の過程では全ての学問に意義があることが分かる。現場を訪れ,長期間にわたって社会と寄り添い,被災者を理解するための技法―報道情報の分析,景観やモノへの着目,そして対話の方法―を実践的に学ぶ。

プロフィール

西 芳実(にし よしみ)
1971年東京生まれ。1993年東京大学教養学部卒業。1997年〜2000年にインドネシア・シアクアラ大学教育学部歴史学科の留学生としてインドネシア・アチェ州に滞在。2004年,東京大学大学院総合文化研究科博士課程(地域文化研究専攻)単位取得満期退学。大東文化大学非常勤講師,東京大学大学院総合文化研究科助教(「人間の安全保障」プログラム),立教大学AIIC助教を経て2011年より京都大学地域研究統合情報センター准教授。博士(学術)。専門はインドネシア地域研究,アチェ近現代史。
主な研究テーマは多言語・多宗教地域の紛争・災害対応過程。
主な著作に, 『災害復興で内戦を乗り越える——スマトラ島沖地震・津波とアチェ紛争』(災害対応の地域研究2,京都大学学術出版会,2014) , 『記憶と忘却のアジア』 (相関地域研究1,青弓社,2015,共編著), 『東南・南アジアのディアスポラ』 (首藤もと子編著,明石書店,2010,分担執筆),『歴史としてのレジリエンス——戦争・独立・災害』(災害対応の地域研究4,京都大学学術出版会,2016,共編著)など。

目次

災害に対して何ができるか ? 現場に入る前の技法を知る

第1章 新聞と統計を読む——時間と空間で捉える
新聞情報を集める
オンタイムの情報を捉える(1)——新聞記事
オンタイムの情報を捉える(2)——統計
直接の現場から離れて得られる「行動知」

第2章 津波遺構を観察する——人びとがどう使っているかをみる
被災地を訪れてみる
津波遺構に託されたメッセージを探る
自分なりの関心を向ける

第3章 関係者の話を聞く——使えるツールを探す
物語を集める——タイプライター・プロジェクト
写真を撮る——メモリー・ハンティング
使えるツールを探す

第4章 思い入れを読み解く——違和感のもとを調べる
被災地の歴史と社会を知る
被災地の土産物屋
思い入れを読み解く

結び
専門性を磨く——文化・社会を支える「行動知」を
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