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黒潮遭遇と認知の歴史

川合 英夫

菊上製・338頁

ISBN: 9784876980406

発行年月: 1997/02

  • 本体: 4,660円(税別)
  • 在庫なし
 
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内容

人々は、黒潮をどのように理解してきたのか。交渉史や海洋史、文化人類学など、アジアを理解する一つの鍵ともいえる黒潮認識の歴史は、意外にもほとんど研究されていない。そのため、アカデミズムの内にも、多くの誤解が存在する。海洋学の立場から、古代から近現代に至る東西の文献を広く精査し、渡海交渉史を全面的に見なおした佳作。

目次

第1章 緒言

第2章 古代における黒潮との遭遇
 2-1 異邦人の黒潮乗り継ぎ漂着
 2-2 南西諸島と本土間の交流
 2-3 遣唐使船の黒潮横断と視界円半径
 2-4 鑑真渡来のときの黒潮遭遇
 2-5 他の黒潮遭遇事例と漂着にかかわった黒潮の流況
 2-6 古代における黒潮遭遇のまとめ

第3章 中世から南蛮時代にかけての黒潮との遭遇
 3-1 後期倭冦船
 3-2 南シナ海からの黒潮乗り継ぎ漂着
 3-3 Urdaneta 貿易路
 3-4 Vizca no の金銀島探検航海
 3-5 支倉六右衛門常長の北太平洋横断
 3-6 朱印船
 3-7 中世~南蛮時代における黒潮遭遇のまとめ

第4章 漢籍における「落■」の記載と解釈
 4-1 『元史』(宗濂ほか撰 1370)
 4-2 『大明一統志』(李賢ほか撰 1461)
 4-3 『使琉球録』(陳侃 1535)
 4-4 『吾学編』(鄭暁 1564)
 4-5 『中山伝信録』(徐葆光 1721)
 4-6 漢籍と和書における「落■」の捉え方

第5章 漢籍などにおける「尾閭」の記載と解釈
 5-1 『中国の科学と文明』(Needham 1971)と『荘子』
 5-2 司馬光による「尾閭」の解釈(1067)
 5-3 『海国聞見録』(陳倫炯 1744)
 5-4 他書に見られる「万里長沙」と「千里石塘」の記載
 5-5 『嶺外代答』(周去非 1178)
 5-6 『諸蕃志』(趙汝� 1225)
 5-7 『列子』の「帰墟」
 5-8 日本における「尾閭」の解釈
 5-9 尾閭に類似した西洋の伝説

第6章 近世の日本人による黒潮の認知
 6-1 江戸幕府撰国絵図と日本図に見られる海流注記
 6-2 『南嶋志』(新井白石 1720)
 6-3 『柳営秘鑑』伊豆国嶋絵図(菊地弥門 1745)
 6-4 森幸安による地図(1752-57)
 6-5 『瓊浦偶筆』(平沢 1774-75)
 6-6 『改正日本輿地路程全図』(長久保赤水 1775)
 6-7 『(伊豆)海嶌風土記』(佐藤行信・吉川秀道 1781)
 6-8 『三国通覧図説』(林子平 1785-86)
 6-9 『南方海島志』(秋山富南 1791)
 6-10 『八丈(嶋)筆記』(古河古松軒 1797)
 6-11 『(伊豆)七島日記』(小寺応斉 1797成)
 6-12 『西遊記』(橘南谿 1798)
 6-13 『渡海新法』(本多利明 1802)
 6-14 『椿説弓張月』(滝沢馬琴 1807-11)
 6-15 『廻船安乗録』(服部義高 1810)
 6-16 『南汎(日)録』(羽倉用九 1838)
 6-17 中浜万次郎らの鳥島漂着(1841)
 6-18 『三国名勝図会』(五代秀尭・橋口兼柄撰 1844)
 6-19 咸臨丸太平洋横断(1860)
 6-20 『八丈実記』(近藤富蔵 1861-78?)
 6-21 朝陽丸による小笠原諸島開拓(1862)
 6-22 江戸時代における海流観と黒潮海流像

第7章 鎖国時代の西洋人による黒潮の認知
 7-1 オランダ人の金銀島探検航海(1639-43)
 7-2 『一般地理学』(Varenius 1650)の再考
 7-3 Franklin-Folger の湾流図初版(ca.1769-70)
 7-4 King の黒潮偏流推算(1779)
 7-5 Broughton の日本周辺探検航海(1796-97)
 7-6 Krusenstern の黒潮遭遇(1804)
 7-7 Berghaus, Heinrich による日本海流の図示と命名(1837)
 7-8 海流と捕鯨場(Wilkes 1845)
 7-9 「太平洋に関する一般的考察」(Kerhallet 1851)
 7-10 『太平洋航路案内』(Findlay 1851)
 7-11 『日本』琉球篇脚注(Siebold 1851?)の黒潮認識
 7-12 Maury による北太平洋湾流のインド洋起源説(1855)
 7-13 Bent による黒潮流路図(1856)
 7-14 地理学者による世界海流図(Zimmermann 1865;)
 7-15 西洋人の海流像と海流観

第8章 近代における黒潮の認知
 8-1 『オホーツク海,日本海と隣接海域の海流の状況』(Schrenck 1873)
 8-2 Challenger 号による日本近海の観測(1875)
 8-3 「海洋学」(松原 1884)と水産関係機関による海洋調査事業の発端
 8-4 『寰瀛水路誌』第一巻上(海軍水路局 1885)
 8-5 『海洋学便覧』(Kr{mmel 1887)
 8-6 「黒潮限界及反対流」(水路部告示,官報 1891)
 8-7 「東アジア海の水温と海流」(Schott 1891)
 8-8 『ベルクハウス自然地図書』第3版(Berghau 1892)
 8-9 『Vitiaz 号と太平洋』(Makarov 1894)
 8-10 『新撰地文学』第十版(山上 1897)
 8-11 『日本列島地図製作の歴史アトラス』(Teleki 1909)
 8-12 『海洋学講話』(横山 1911)
 8-13 「軍艦松江ニ於ケル海洋観測」(浅野 1913)
 8-14 UMI NO BUTURIGAKU(寺田 1913)
 8-15 『日本近海表面海流予察図』(和田 1916)
 8-16 『日本海洋学』(梶山 1920)
 8-17 『海洋研究漁村夜話』(北原 1921)
 8-18 「偏流推算値に基づいた海流図」(Merz 1922)
 8-19 「海流報告集」(海軍水路部 1924-25)
 8-20 測量艦満州による1925-28年の海洋観測(重松 1926,1932)
 8-21 「日本近海各月平均海洋図」(宇田・岡本 1930)
 8-22 「水路部にて実施中の海流測定法」(岸人 1931-32)
 8-23 『海洋学』(野満 1931)
 8-24 岩波講座地理学『海洋学-物理海洋学』(小倉 1931)
 8-25 『海洋学』(丸川 1932)
 8-26 岩波講座宇宙物理学『海洋物理学』(須田 1932)
 8-27 『海洋科学』(須田 1933)
 8-28 『本州沿岸水路誌』(海軍水路部 1934)
 8-29 「昭和8年盛夏北太平洋海況」(宇田 1935)
 8-30 黒潮大蛇行・台風遭遇と海軍大演習(1935-36)
 8-31 「黒潮と湾流」(W殱t 1936)
 8-32 岩波講座物理学『海洋物理学』(日高 1939)
 8-33 The Oceans(Sverdrup et al 1942)
 8-34 近代における黒潮海流像の変遷

第9章 結言
 9-1 海域限定的な黒潮の流れと呼称の記載
 9-2 古人による黒潮や湾流の流れの感知可能条件
 9-3 黒潮海流像の変遷
 9-4 黒潮海流像の背後にある海流観の相違
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