プリミエ・コレクション 33
夢とモノノケの精神史
平安貴族の信仰世界

上野 勝之

A5上製・328頁・税込 4,320円
ISBN: 9784876982769
発行年月: 2013/03
在庫あり

書評

『古代文化』第66巻第3号(2014年12月)、153-155頁、評者:久禮旦雄氏

内容

夢と病気との関連、邪気、憑きもの、瘧などの迷信、そしてこれらを治療する「ヨリマシ加持」を題材に平安貴族が病気とどのように戦ったのかを明らかにする。

目次

 凡 例

序 章 精神史の分析方法
   第一節 課題の設定と分析方法
   第二節 本書の構成

第一章 平安貴族社会の夢観念
   はじめに
   第一節 神仏との接点
   第二節 来世との接点
   第三節 夢合わせ
   第四節 悪夢と慎み
   おわりに

第二章 ヨリマシ加持の登場——その成立と起源
   はじめに
   第一節 摂関期のヨリマシ加持と験者作法
   第二節 験者の性格とヨリマシ加持の成立
   おわりに

第三章 平安貴族社会の邪気概念
   はじめに
   第一節 摂関期の邪気
   第二節 院政・鎌倉前期の邪気
   おわりに

第四章 摂関期の王権と邪気観念——藤原道長の邪気観念
   はじめに
   第一節 邪霊領得——長徳・長保年間(九九五〜一〇〇三)
   第二節 邪気悉く人に移す——寛弘・長和年間(一〇〇四〜一〇一六)
   第三節 怨霊を降す——寛仁・治安年間(一〇一七〜一〇二三)
   第四節 加持の事、深く悔色あり——万寿年間(一〇二四〜一〇二七)
   おわりに  205

第五章 日本古代・中世における瘧病認識の変容
   はじめに
   第一節 瘧と邪気——摂関期の瘧
   第二節 瘧と祈祷——院政期から鎌倉時代前期
   第三節 瘧と医師——鎌倉時代中期から南北朝期
   第四節 瘧の“医療化”と加持の衰退——室町時代
   おわりに

補 論 貴族社会の多面性
   ——『東山往来』に見る院政期の習俗と合理的思考

終 章 精神史のその後
   第一節 邪気と医師
   第二節 室町時代前期の夢観念
   第三節 室町時代前期の邪気概念

初出一覧
あとがき
索引(人名・事項・書名)

プロフィール

上野 勝之(うえの かつゆき)

国際日本文化研究センター共同研究員 日本古代・中世文化史専攻

主要著作
『平安京と貴族の住まい』(共著、京都大学学術出版会、2012年)、「古記録における宗教習俗の記載」(『日本研究』44、2011年)、「夢の諸相——平安時代を中心として」(『日本文化・環境論講座紀要』第3号、2001年)。