講座・生態人類学2
森と人の共存世界

市川 光雄 編

A5上製・258頁・税込 3,240円
ISBN: 9784876983261
発行年月: 2001/12
在庫あり

内容

極めて「西欧中心的」なピグミー研究を大幅に書き換えたのは、日本の生態人類学である。彼らの日常——食物の採取、分配と料理、ライフサイクル、子どもの遊び等々——と精神世界は、まさしく森の生態の中に組み込まれている。その姿を生き生きと記述し、平等社会のメカニズムを分析するとともに、21世紀の文化的多様性のあり方をも示唆する好著。

目次

刊行のことば:伊谷純一郎

第一章 森の民へのアプローチ:市川光雄
一 森の民ピグミー
二 ピグミーの「発見」
三 ピグミー研究の開始
四 日本人によるピグミー研究——イトゥリの森における調査
五 調査地域と関心の拡大
六 三つの生態学
七 本書の構成について

第二章 バカ・ピグミーのライフサイクル——日中活動の分析から:分藤大翼
一 はじめに
二 森と朝夕の暮らし
三 調査の始まり
四 ライフサイクル
五 まとめ
六 考察——変化のなかで

第三章 分配者としての所有者——狩猟採集民アカにおける食物分配:北西功一
一 はじめに
二 調査地とそこに住む人々
三 肉の分配
四 料理の分配
五 ハチミツの分配
六 アカにおける「所有者」

第四章 狩猟採集民バカにおけるこどもの遊び:亀井伸孝
一 はじめに
二 狩猟採集民バカについて
三 さまざまな遊び
四 遊びに見られる特徴
五 こどもの遊びとバカの文化

第五章 「メ」とは何か?——バカ・ピグミーの「精霊」観念に関する考察:都留泰作
一 はじめに
二 バカの概要
三 「メ」観念の一般的特質
四 パフォーマンスにおける「メ」のイメージ
五 民話や夢における「メ」のイメージ
六 考  察

第六章 森と病い——バカ・ピグミーの民俗医学:佐藤弘明
一 はじめに
二 八九の病い
三 病いと動物
四 薬と植物
五 まとめ

第七章 「彼はゴリラになった」——狩猟採集民アカと近隣農耕民のアンビバレントな共生関係:竹内 潔
一 はじめに
二 狩猟採集民アカと焼畑農耕民の「共生」
三 アカと農耕民の経済的関係
四 相互疎外とアカの劣位
五 優劣と対立を産みだす社会的な仕組み
六 おわりに

索  引

プロフィール

市川光雄 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授
亀井伸孝 日本学術振興会特別研究員
北西功一 山口大学教育学部講師
佐藤弘明 浜松医科大学医学部教授
竹内 潔 富山大学人文学部助教授
都留泰作 京都大学研修員
分藤大翼 京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程在学中