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生物資源から考える 21世紀の農学 6

微生物機能の開発

植田 充美 編

A5上製・346頁

ISBN: 9784876983414

発行年月: 2008/05

  • 本体: 4,400円(税込 4,840円
  • 在庫あり
 
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内容

極めて有用な能力を持ち、人々の豊かさを支えてきた微生物。日本は、豊富な微生物資源に恵まれた資源大国だ。食糧や医薬品の生産はもちろん、環境保全やリサイクルへの利用など、可能性と魅力に満ちた微生物の世界に読者を誘う。生命科学に関心を持つ学生・院生はもちろん、「安全で豊かな暮らし」を求める市民の目から鱗を落とす一冊。

書評

「ジャパンフードサイエンス」Vol47.No.7('08年7月号)、27頁

プロフィール

編者略歴
植田充美(うえだ みつよし)
 京都大学大学院農学研究科教授
 (生体高分子化学,応用生命科学専攻)
1955年 兵庫県生まれ
1984年 京都大学大学院工学研究科工業化学専攻博士課程修了(福井三郎教授)
1984年 日本学術振興会奨励研究員(京大医学部医化学教室沼 正作教授)
1985年 京都大学工学部工業化学科助手
1991年 京都大学工学部工業化学科助教授
1996年 京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻(改組)助教授
2001年 バイオ・エナジー(株)顧問就任(兼任)
2002年 三菱化学・生命科学研究所客員研究員就任(兼任)
2003年 京都大学大学院農学研究科応用生命科学専攻 応用生化学講座生体高分子化学研究分野教授,現在に至る
賞:1993年 日本生物工学会第30回斉藤賞(生物工学の基礎学への貢献)受賞
  2006年 日本冷凍空調学会賞学術賞 受賞

主要著書:
『コンビナトリアル・バイオエンジニアリング』化学フロンティア(化学同人),第9巻(2003)
『ナノバイオテクノロジーの最前線』シーエムシー出版(2003)
『抗体エンジニアリングの最前線』シーエムシー出版(2004)
『エコバイオエネルギーの最前線—ゼロエミッション型社会を目指して』 シーエムシー出版(2005)
『一細胞定量解析の最前線—ライフサーベイヤ構築に向けて』シーエムシー出版(2006)
『抗体医薬の最前線』シーエムシー出版(2007)


執筆者一覧
序 文  清水  昌(しみず さかゆ)
京都大学大学院農学研究科教授(発酵生理及び醸造学,応用生命科学専攻)
1945年 京都府生まれ
第1章  由里本博也(ゆりもと ひろや)
京都大学大学院農学研究科准教授(制御発酵学,応用生命科学専攻)
1971年 京都府生まれ
阪井 康能(さかい やすよし)
京都大学大学院農学研究科教授(制御発酵学,応用生命科学専攻)
1959年 兵庫県生まれ
第2章  加藤 暢夫(かとう のぶお)
京都学園大学バイオ環境学部教授(制御発酵学)
1941年 東京都生まれ
第3章  二井 一禎(ふたい かずよし)
京都大学大学院農学研究科教授(微生物環境制御学,地域環境科学専攻)
1947年 京都府生まれ
第4章  左子 芳彦(さこ よしひこ)
京都大学大学院農学研究科教授(海洋分子微生物学,応用生物科学専攻)
1953年 大阪府生まれ
第5章  清水  昌(序文参照)
第6章  村田 幸作(むらた こうさく)
京都大学大学院農学研究科教授(生物機能変換学,食品生物科学専攻)
1948年 京都府生まれ
第7章  谷田 清一(たにだ せいいち)
(財)京都高度技術研究所 京都市地域結集型共同研究事業 新技術エージェント
1946年 京都府生まれ
第8章  西岡 孝明(にしおか たかあき)
京都大学大学院農学研究科教授(生物機能制御化学,応用生命科学専攻)
2008年4月から慶應義塾大学政策・メディア研究科教授(分析化学,先端生命科学研究所)
1945年 京都府生まれ
第9章  喜多 恵子(きた けいこ)
京都大学大学院農学研究科教授(エネルギー変換細胞学,応用生命科学専攻)
1954年 岡山県生まれ
第10章  植田 充美(編者略歴参照)
黒田 浩一(くろだ こういち)
京都大学大学院農学研究科助教(生体高分子化学,応用生命科学専攻)
1976年 愛知県生まれ
加藤 倫子(かとう みちこ)
京都大学大学院農学研究科助教(生体高分子化学,応用生命科学専攻)
1972年 奈良県生まれ

目次

序 文

第1章 微生物のしくみ(由里本博也・阪井康能)
はじめに
1 微生物学の歴史
2 微生物の代謝と増殖
3 微生物の構造と機能
4 微生物のしくみの利用
おわりに

第2章 環境を守る微生物(加藤暢夫)
1 農学領域の環境微生物学
2 メタンやメタノールの微生物利用
3 石油成分の微生物分解
おわりに

第3章 共生微生物の世界(二井一禎)
はじめに
1 植物と共生する細菌類
2 植物と共生する菌類
3 動物と消化共生する細胞外共生微生物
4 動物と伝播共生する細胞外共生微生物
5 昆虫の細胞内に共生する細菌
おわりに

第4章 熱水に生きる海洋微生物(左子芳彦)
はじめに
1 海洋熱水環境に生きる(超)好熱菌
2 有用遺伝子資源としての超好熱菌

第5章 微生物工場——くらしに役立つ微生物の話——(清水 昌)
はじめに
1 もの作りの方法論としての発酵法と酵素法
2 微生物によるもの作り,最近の展開
3 世界で活躍する京大発酵研究室プロセス(“Hakko Lab. Processes”)
4 グリーンケミストリーへの道を拓く
5 広がる微生物利用分野(身近で活躍するミクロの働き者)

第6章 食品と微生物(村田幸作)
はじめに
1 伝統的発酵食品
2 食品の保存と殺菌
3 微生物と食中毒
おわりに

第7章 微生物に新薬のリードを探る(谷田清)
はじめに
1 抗生物質研究の流れ
2 抗生物質研究のパラダイム転換
3 アンサマイトシンの物語
4 医薬品をとりまく環境の変化
5 微生物二次代謝産物研究の現在
6 微生物二次代謝産物研究のこれから
むすび

第8章 微生物のメタボローム解析(西岡孝明)
はじめに
1 メタボローム解析とは
2 枯草菌をメタボローム解析する
3 変動する代謝物質プロファイル
4 代謝反応ネットワークが複雑であることの要因—多重性
5 二次代謝物質のメタボローム解析
おわりに

第9章 微生物遺伝子の活用(喜多恵子)
1 微生物遺伝子研究の歴史
2 古典的な育種
3 組換えDNA技術を用いた遺伝子の活用
4 微生物遺伝子資源活用の展望
不必要な遺伝子はどこまで取り除くことができるか?
おわりに

第10章 微生物育種の未来開拓——細胞分子育種に変革をもたらす細胞表層工学の開拓——(植田充美・黒田浩一・加藤倫子)
はじめに
1 細胞表層移行シグナル情報
2 細胞表層工学(Cell Surface Engineering)
3 コンビナトリアル・バイオエンジニアリングの創成
4 ナノテクノロジーとの融合による進化と飛躍
5 細胞表層ディスプレイによる実用的細胞育種
6 細胞表層ディスプレイによる細胞育種の展開
—新しいタンパク質「考」学への展開の基盤として

索 引
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