プリミエ・コレクション6
先秦時代の領域支配

土口 史記

A5上製・224頁・税込 4,536円
ISBN: 9784876985630
発行年月: 2011/06
在庫あり
『古代文化』第63巻第3号、168-170頁、評者:松井嘉徳氏

内容

中国の郡県制は秦漢時代に成立し、先秦時代の領域支配はその発達段階と従来は考えられてきた。本書は、1987年に出土した包山楚簡を詳細に分析し、秦漢時代の郡県制とは性質の異なる領域支配の存在を明らかにし、同時にこの支配形態がいわゆる郡県制に変容していくその過程をさまざまな史料を駆使しながらたどっていく。

目次

緒 言
第一章 春秋時代の領域支配ーー邑とその支配をめぐって
序言
第一節 県・邑の別
第二節 邑とその支配権
一 領域と境界
二 邑の支配権
第三節 「以邑叛」にみる「邑人」支配の問題
一 「以邑叛」と「邑人」
二 「竟」の邑
第四節 邑の軍事的役割
一 邑の軍事化
二 「邑人」の軍事動員
小結
第二章 「県」の系譜ーー「商鞅県制」成立の前提として
序言
第一節 「県」考辨
第二節 秦の「県」
一 商鞅以前の「県」
二 「県」制の継承
第三節 魏の領域構造とその変動
一 文侯・武侯期
二 恵王期
三 領域構造の変動と「県」制
小結
第三章 包山楚簡の邑(ウカンムリ)と邑(ウカンムリ)大夫ーー戦国楚の行政単位と「郡県」
序言
第一節 包山楚簡と戦国楚の地方行政単位
第二節 「邑(ウカンムリ)=県」説
第三節 邑(ウカンムリ)と邑(ウカンムリ)大夫
一 邑(ウカンムリ)大夫
二 「邑(ウカンムリ)」諸官
第四節 邑(ウカンムリ)の性格と戦国楚の「県」
小結
第四章 先秦時代における「郡」の形成とその契機
序言
第一節 先秦時代の郡に関する従来の研究
一 戦国期以前ーー「県大而郡小」と「郡大而県小」
二 戦国期以降
第二節 秦の郡
一 秦郡に関する議論
二 秦郡の設置年代
第三節 郡制開始の契機
第四節 魏の郡
一 魏郡に関する資料とその検証
二 「守」と「郡守」
小結
結 論
附論 先秦時代的地域支配:以“郡縣制”形成前夕爲中心

引用文献一覧
あとがき
索引(人名・研究組織名索引/事項索引)

プロフィール

土口 史記(つちぐち ふみのり)
日本学術振興会特別研究員PD
(京都大学人文科学研究所)
1982年 三重県熊野市生まれ。
2009年 京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了(東洋史学専修)。
2010年 京都大学博士(文学)。

主要論文
「春秋時代の領域支配—邑の支配をめぐって—」『東洋史研究』第65巻第4号、2007年、「先秦期における郡の形成とその契機」『古代文化』第61巻第4号、2010年、ほか。