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環境ガバナンス論

松下 和夫 編著

A5上製・317頁

ISBN: 9784876987276

発行年月: 2007/10

  • 本体: 4,200円(税別)
  • 在庫あり
 
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内容

複雑で重層化した環境問題にどう対処するか。その解決には多様な非政府アクターの利害調整と合意形成が不可欠である。ガバナンス論を基礎に,コモンズ論・社会関係資本論にも目を配りつつ,豊富な事例——NGO・企業の取り組み,流域管理,都市形成——にもとづきその解決策を探る。持続可能な社会の構築に向けた環境政策論の到達点。

書評

「Local Commons」第6号、30-31頁、評者:大野智彦氏
「社会と倫理」第23号、113-118頁、評者:石川良文氏

プロフィール

松下和夫(まつした かずお)
東京大学経済学部卒業,ジョンズ・ホプキンズ大学大学院政治経済学科修士課程修了。環境省・OECD・国連・地球環境戦略研究機関等勤務を経て,現在,京都大学大学院地球環境学堂教授,国連大学高等研究所客員教授兼務。主な著作に,『環境政治入門』(平凡社,2000年),『環境ガバナンス:市民・企業・自治体・政府の役割』(岩波書店,2002年)など。専攻:環境政策論,環境ガバナンス論,気候変動政策。

大野智彦(おおの ともひこ)
関西学院大学総合政策学部卒業,京都大学大学院地球環境学舎修士課程修了。現在,京都大学大学院地球環境学舎博士課程在学中。主な著作に,「河川政策における‘参加の制度化’とその課題」『環境情報科学論文集』(第19巻,2005年),「コモンズ・ガバナンス・社会関係資本:流域管理における管理主体のあり方」和田英太郎・谷内茂雄監修『琵琶湖−淀川水系における流域管理モデルの構築 最終成果報告書』(総合地球環境学研究所プロジェクト3—1発行,2007年)など。専攻:環境政策論,河川政策。

武部 隆(たけべ たかし)
京都大学大学院農学研究科博士後期課程中退。京都大学農学部助手,京都府立大学農学部助教授,京都大学農学部助教授,京都大学大学院農学研究科教授を経て,現在,京都大学大学院地球環境学堂教授。主な著作に,『現代農地経済論』(ミネルヴァ書房,1984年),『土地利用型農業の経営学』(御茶の水書房,1993年),『地域農業マネジメントの革新と戦略手法』(共編著,農林統計協会,2007年)。専攻:生物資源経済学,農地経済論 。

内藤正明(ないとう まさあき)
京都大学工学部卒業,京都大学博士(工学)。国立環境研究所総合解析部長,京都大学大学院工学研究科教授,京都大学大学院地球環境学堂長(併任)を経て,現在,NPO・循環共生社会システム研究所・代表理事,佛教大学社会学部教授,滋賀県琵琶湖環境科学研究センター長(兼任)。主な著作に,編著『現代科学技術と地球環境学』(編著,岩波書店,1998年),『持続可能な社会システム』(共著,岩波書店,1998年)。専攻:環境システム学。

松本泰子(まつもと やすこ)
上智大学文学部英文学科卒業,世界自然保護基金日本委員会,グリーンピース・ジャパン,東京理科大学諏訪短期大学経営情報学科助教授,国立環境研究所NIESフェローを経て,現在,京都大学大学院地球環境学堂准教授。主な著作に,「環境政策とNGOの役割—気候変動を中心に」『岩波講座 環境経済・政策 第4巻 環境保全と公共政策』所収(岩波書店,2002年)「気候変動問題の政府間交渉における科学とNGO:知見の仲介者としての環境NGOの役割」『環境と公害』(第33巻第1号,2003年)など。専攻:地球環境政策論。

小畑史子(おばた ふみこ)
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了,東京大学博士(法学)。富山大学経済学部経営法学科専任講師,同助教授,京都大学総合人間学部および大学院人間・環境学研究科助教授,京都大学大学院地球環境学堂助教授を経て,現在,同准教授。主な著作に『よくわかる労働法』(ミネルヴァ書房,2006年),『最新労働基準判例解説』(日本労務研究会,2003年),『同第2集』(日本労務研究会,2006年)。専攻:労働法,労働環境法。

吉野 章(よしの あきら)
京都大学大学院農学研究科博士課程中退,京都大学博士(農学)。京都大学農学部/大学院農学研究科助手,京都大学大学院地球環境学堂助手を経て,現在,同助教。主な著作に,「青果物の商品価値競争力の計測手法—離散・連続型選択モデルによる定式化」『農業経済研究』(第6巻第3号,1997年),「青果物産地のための市場動向分析システム」『システム農学』(第21巻3号,2005年)など。専攻:農業経済学。

浅野耕太(あさの こうた)
京都大学農学部卒,京都大学博士(経済学)。京都大学農学部農林経済学科助手,京都大学大学院地球環境学堂及び人間・環境学研究科助教授を経て,現在,同准教授。主な著作に,『農林業と環境評価』(多賀出版,1998年)。専攻:資源経済学。

太田隆之(おおた たかゆき)
横浜国立大学経済学部卒業,京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。京都大学博士(経済学)。京都大学大学院地球環境学堂研究員(科学研究)を経て,2007年10月1日より,静岡大学人文学部経済学科准教授。主な著作に,「受益者負担論からみた森林保全制度の検証—豊田市水道水源保全基金を素材にして」『水利科学』(第285号,2005年),「資源管理における制度構築問題とリーダーシップ—矢作川の水質管理を事例に」環境経済・政策学会編『環境再生』(東洋経済新報社,2005年)など。専攻:環境経済学,地域政策。

吉積巳貴(よしづみ みき)
大阪市立大学工学部土木工学科卒業,京都大学大学院人間・環境学研究科(修士)修了,ロンドン大学計画・開発学科ディプロマコース修了,京都大学大学院地球環境学舎(博士)修了。国連地域開発センター防災計画兵庫事務所勤務を経て,現在,京都大学大学院地球環境学堂助教。主な著作に,“Realizing Education for Sustainable Development in Japan: The Case of Nishinomiya City,” Current Issues in Comparative Education(共著,Vol.7, No.2, 2005),「西宮市の持続可能な社会のための取組み」(UNESCO・京都大学『減災と人間の安全保障:持続可能な開発のための教育』2005年)など。専攻:環境まちづくり論,環境学習,地域防災・環境マネジメント。

礪波亜希(となみ あき)
京都大学大学院地球環境学舎博士課程単位取得退学。現在,日本学術振興会特別研究員(PD)。主な著作に,“Sustainable Development Aid in the 21st century: Incorporating the Development, Environmental, and Security Agenda,” Third World Quarterly(in preparation),“Environmental Development Assistance for the Governance of Cities: Lessons from Local Agenda 21 in Thailand,” Journal of Environment and Development,(共著,Vol. 16, No.3, 2007)など。専攻:環境経済学,地球益経済論。

森 晶寿(もり あきひさ)
京都大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学,京都大学博士(経済学)。現在,京都大学地球環境学堂准教授。主な著作に,「開発と環境分析のフロンティア」環境経済・政策学会編『環境経済・政策研究の動向と展望』(東洋経済新報社,2006年),『アジア環境白書2006/07』(共著,東洋経済新報社,2006年)など。専攻:環境経済学,地球益経済論。

植田和弘(うえた かずひろ)
京都大学工学部卒業。大阪大学大学院工学研究科,京都大学経済研究所助手,京都大学経済学部助教授,同教授を経て,現在,京都大学大学院経済学研究科および同地球環境学堂教授。主な著作に,『環境経済学』(岩波書店,1996年),『リーディングス環境(全5巻)』(共編著,有斐閣,2005—2006年)など。専攻:環境経済学,財政学。

目次

はしがき [松下 和夫]

第I部 なぜ今環境ガバナンスか

第1章 環境ガバナンス論の新展開[松下 和夫・大野 智彦]
1 なぜ今環境ガバナンスか
2 ガバナンスの意味
3 これまでの主要なガバナンス概念
4 コモンズ論,社会関係資本論と環境ガバナンス論
5 持続可能な都市と環境ガバナンス
6 地球環境ガバナンスの構築と強化
7 環境ガバナンス論の課題

第2章 環境ガバナンスの分析視角[武部 隆]
1 はじめに:環境ガバナンスの四つの分析視角
2 契約論的な視点に立った環境ガバナンス
3 社会関係資本の視点に立った環境ガバナンス
4 リスク分析の視点に立った環境ガバナンス
5 環境効率性の視点に立った環境ガバナンス
6 むすび:環境ガバナンス論の構築に向けて

第3章 真のエコテクノロジーを生む技術ガバナンス[内藤 正明]
1 いま技術のガバナンスがなぜ問題か?
2 技術がもたらした功罪
3 技術の副作用がなぜ生じたか
4 技術の新たなガバナンスの試み
5 これからの技術ガバナンス主体としての市民
6 市民技術による持続可能な地域社会の形成
7 我が国の持続可能社会像を目指す事例
8 技術ガバナンスのこれから

第II部 非政府アクターと環境ガバナンスの構造変革

第4章 地球環境ガバナンスの変容とNGOが果たす役割:戦略的架橋 [松本 泰子]
1 はじめに:地球環境ガバナンスの変容とNGO
2 分析視角:戦略的架橋とは
3 事例:国際環境NGOのノンフロン冷蔵庫キャンペーンと企業の意思決定
4 むすび

第5章 企業と持続可能社会:CSRの役割 [小畑 史子]
1 はじめに
2 CSRの現状
3 環境のグローバル及びローカルな側面とCSR
4 国家法とCSR
5 むすび

第6章 環境リスクコミュニケーションにおける共有知識の役割[吉野 章]
1 はじめに
2 環境リスクとリスクコミュニケーション
3 開発をめぐる対立と不信
4 合意形成におけるリスクコミュニケーションの可能性
5 むすび

第III部 ガバナンスから流域管理を考える

第7章 流域連携とコースの自発的交渉[浅野 耕太]
1 はじめに
2 流域の外部経済モデル
3 コースの自発的交渉
4 流域連携を妨げるもの

第8章 流域ガバナンスを支える社会関係資本への投資[大野 智彦]
1 はじめに
2 社会関係資本形成と公共政策
3 なぜ流域連携が必要か
4 流域連携支援の実際
5 「支援」の効果:聞き取り調査から
6 考  察

第9章 流域水管理における主体間の利害調整:
矢作川の水質管理を素材として[太田 隆之]
1 はじめに
2 矢作川の水質汚濁と矢水協
3 矢水協を検証するための理論的フレームワーク
4 矢水協の結成と活動による費用負担問題
5 むすび

第IV部 都市のガバナンスを改善する

第10章 サスティナブル・シティづくりのためのガバナンス[吉積 巳貴]
1 はじめに
2 サスティナブル・シティづくりの潮流
3 サスティナブル・シティづくりのための政策統合
4 サスティナブル・シティのための市民参加
5 おわりに

第11章 途上国の都市の環境ガバナンスと環境援助:
タイのLA21プロジェクトを素材として[礪波 亜希・森 晶寿]
1 なぜLA21プロジェクトに注目するのか
2 なぜ持続可能性が求められるようになったのか
3 LA21作成支援プロジェクトの背景:地方分権化と補完性原則
4 LA21作成支援プロジェクトとその成果
5 LA21を通じた都市の環境ガバナンス改善と対外援助への示唆

第V部 環境ガバナンスの戦略的課題

第12章 環境ガバナンス論の到達点と課題[松下 和夫]
1 はじめに
2 なぜ今環境ガバナンスか
3 非政府アクターと環境ガバナンスの構造変革
4 ガバナンスから流域管理を考える
5 都市のガバナンスを改善する
6 環境ガバナンス論の到達点と課題

第13章 環境政策の欠陥と環境ガバナンスの構造変化[植田 和弘]
1 はじめに
2 現代環境問題の特質
3 環境政策の欠陥と環境ガバナンスの課題
4 持続可能な発展の重層的環境ガバナンス
5 おわりに

あとがき
索引
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