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アメリカ知識人とラディカル・ビジョンの崩壊

前川 玲子

A5上製・308頁

ISBN: 9784876986088

発行年月: 2003/01

  • 本体: 3,600円(税込 3,960円
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内容

1930年代のアメリカは「赤の時代」とも呼ばれ、多くの知識人が左傾化した。なぜ彼らは共産主義に接近し、その後「離脱」または「転向」する苦悩の過程をたどったのか。このアメリカの悲劇を、30年代の輝けるリーダー・カウリーから50年代のマシーセンに至るまで、作家や評論家などの思想的葛藤の軌跡の中に克明に描く。壮大なアメリカン・オデュッセイア。

プロフィール

前川玲子(まえかわ れいこ)

京都大学総合人間学部助教授
1952年 兵庫県生まれ。
1985年 米国ケース・ウェスタン・リザーブ大学院博士課程修了(Ph.,D 取得)。
1989年 愛知県立女子短期大学・県立大学講師を経て助教授。
1992年 京都大学教養部助教授を経て現職。

目次

序 論
第1章 亡命者の帰還
 1 20年代と亡命者
 2 カウリーの30年代
 3 『黄金の山の夢』記憶の中の「同伴者」時代
第2章 ジョゼフ・フリーマンとラディカル・ビジョン
 1 ユダヤ系知識人とアメリカの夢
 2 失われた世代と希望の星ソヴィエト
 3 アメリカ共産党と文化戦線
第3章 知識人の自画像
 1 プロレタリア文学の中の知識人像
 2 テス・スレシンジャーの『呪縛を解かれて』
 3 エドワード・ニューハウスの『君たちの時代』
第4章 自分史、家族史、歴史ジョセフィン・ハープストを中心に
 1 忘却の中の三部作
 2 ジョセフィン・ハープストについて
 3 進歩史観と家族史
 4 女性知識人の模索
第5章 「プロレタリアン・ジャーニー」の行方ストライキ小説と知識人
 1 ストライキ小説の時代的背景
 2 リーダーと大衆『ストライキ!』
 3 労働者とインテリ『前方の影』
 4 工場は誰のものか?『豊かな土地』
 5 労働者のディストピア『疑わしき闘い』
 6 ストライキ闘争と階級闘争のビジョン
第6章 知識人の挫折
 1 神話の終焉チェンバレンとフィッシャー
 2 独ソ不可侵条約の衝撃グランヴィル・ヒックスの場合
 3 ラディカル・ビジョンの行方
第7章 そして何処に?
 1 エドマンド・ウィルソンフィンランド駅からの帰還
 2 メアリー・マッカーシーとユートピア
 3 「イデオロギーの終焉」をめぐって
第8章 ニューヨーク知識人たちの軌跡
 1 ライオネル・トリリングの旅路
 2 30年代からの出発二人のアーヴィング
 3 知識人の選択冷戦から赤狩りへ
第9章 F・O・マシーセンの悲劇
 1 1950年4月1日
 2 『アメリカン・ルネサンス』の後に
 3 冬の批評家閉塞の時代の中で
 結 語
 注
 引用・参照文献
 初出一覧
 あとがき
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