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こころの謎 kokoroの未来

京都文化会議記念出版編集委員会・川添信介・高橋康夫・吉澤健吉 編

四六・フランス装・420頁

ISBN: 9784876988006

発行年月: 2009/11

  • 本体: 2,800円(税込 3,080円
  • 在庫あり
 
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内容

日本語で<こころ>と呼ばれてきたもの。その意味は余りに広い。心理・宗教・芸術…様々な視角をもってしても謎は深まるばかりだ。しかしその多義的な謎こそが、多様に見えてどこか一元的な価値観が世界を覆うこの時代に大きな意義をもっているのではないか。科学、芸術、宗教の町京都から世界へ、<こころ>の未来と可能性を主張する。

書評

『読売新聞』’10.3.11夕刊

プロフィール

■京都文化会議記念出版編集委員会 編集委員

川添信介(かわぞえ・しんすけ)
一九五五年生まれ。京都大学大学院文学研究科教授。西洋中世哲学史を専攻するとともに、心の哲学一般にも関心を持つ。主な著訳書に『水とワイン——西欧13世紀における哲学の諸概念』(京都大学学術出版会、二〇〇五年)、『トマス・アクィナスの心身問題——「対異教徒大全」第2巻より』(知泉書館、二〇〇九年)などがある。

高橋康夫(たかはし・やすお)
一九四六年生まれ。京都大学大学院工学研究科教授。日本中世都市・建築史を専攻するとともに、自然・風景にも関心を持つ。主な著書に『洛中洛外——環境文化の中世史』(平凡社、一九八八年)、『京町家・千年のあゆみ都にいきづく住まいの原型』(学芸出版社、二〇〇一年)などがある。

吉澤健吉(よしざわ・けんきち)
一九五〇年、東京都生まれ。横浜市立大学文理学部卒業(近代フランス哲学専攻)。現在、京都新聞総合研究所長、同編集局次長兼報道企画室長。京都の学術、宗教、伝統文化、伝統産業、芸術を統合した京都学の構築を目指している。主な著書・共著に『最澄を歩く』(佼成出版社、一九九二年)、『現代浄土教の可能性』(四恩社、一九九八年)などがある。

■執筆者
村上和雄 国際科学振興財団理事・筑波大学名誉教授
ジャン=ノエル・ロベール フランス国立高等研究院宗教学部教授
杉若恵亮 日蓮宗法華寺三十五世住職
速水敏彦 名古屋大学大学院教育発達科学研究科長
鈴江俊郎 劇作家・演出家・俳優
吉川左紀子 京都大学こころの未来研究センター長・京都大学大学院教育学研究科教授
箒木蓬生 作家・精神科医
山際寿一 京都大学大学院理学研究科教授
奥乃博 京都大学大学院情報学研究科教授
伊東久重 御所人形作家・有職御人形司十二世
鈴木博之 青山学院大学総合文化政策学部教授
畑正高 株式会社松榮堂代表取締役社長
大橋力 国際科学振興財団・主席研究員、文明科学研究所所長
朱捷 同志社女子大学現代社会学部社会システム学科教授
内山勝利 京都大学名誉教授
小杉泰 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授
池坊由紀 華道家元池坊次期家元
応地利明 立命館大学非常勤講師、京都大学名誉教授
モジュタバ・サドリア 中央大学総合政策学部元教授

目次

〈こころ〉を知っていますか——本書を読みすすめるために

I 響きあうkokoro(リード文 川添信介)
笑いは〈こころ〉を元気にする(村上和雄)
ユーラシアの中の「こころ」——その意味の折り重なりから(ジャン=ノエル・ロベール)
コラム——若者の〈こころ〉とぼんさん(杉若恵亮)
萎縮しながら膨張する〈こころ〉(速水敏彦)
コラム——客席とひとつになる(鈴江俊郎)
こころを「見る」ということ——心理学のこころみ(吉川左紀子)
プラシーボに現れる〈こころ〉(帚木蓬生)

II kokoroのユビキタス(リード文 吉澤健吉)
ゴリラ・〈こころ〉・人(山極寿一)
ロボットと〈こころ〉(奥乃 博)
コラム——人形に〈心〉を入れる(伊東久重)
文化遺産そのオーセンティシティ(鈴木博之)
コラム——匂いを、そして香りを感じる(畑 正高)
〈利他的遺伝子〉と〈超知覚音〉の優越性——「こころの未来」への自然科学的接近(大橋 力)

III kokoroはちがいを超えて(リード文 高橋康夫)
文明のかたちと〈こころ〉中国と日本(朱 捷)
ギリシア・(似非)コスモポリタン列伝「世界市民」の可能性を考えるために(内山勝利)
イスラームのこころ宗教復興とイスラーム経済(小杉 泰)
[コラム] いけばなにおけるこころ(池坊由紀)
文化・文明・「近代化」(応地利明)
権力と心この間に横たわる厚い障壁(モジュタバ・サドリア)

京都提言2007
あとがき
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