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サイトカインハンティング

先頭を駆け抜けた日本人研究者たち

日本インターフェロン・サイトカイン学会 編

A5並製・318頁

ISBN: 9784876989737

発行年月: 2010/06

  • 本体: 3,400円(税込 3,740円
  • 在庫なし
 
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内容

科学史の表舞台は輝かしい業績に彩られているが、それは成功への一本道ではない。背後には試行錯誤や苦闘を伴っている。種々のサイトカインの発見は,医療への応用や生命科学の発展に大きく寄与するものであり,世界中の「ハンター」たちが鎬を削っている.表舞台からはわからない研究の現場を歴史の立会人たちが闊達に語る。

書評

『日経サイエンス』'10年11月号、108頁、評者:中西真人氏
『細胞工学』Vol.29 No.10、1043頁
『Schneller』76(2010 Autumn)、51頁

プロフィール

(執筆順,*は編者)

*宇野賀津子(うの かづこ) ルイ・パストゥール医学研究センター・室長
*米原  伸(よねはら しん) 京都大学大学院生命科学研究科・教授
*松島 綱治(まつしま こうじ) 東京大学大学院医学系研究科・教授
小島 保彦(こじま やすひこ) NPO法人インターフェロン・ハーブ研究所・所長
川出 由己(かわで よしみ) 京都大学名誉教授
谷口 維詔(たにぐち ただつぐ) 東京大学大学院医学系研究科・教授
長田 重一(ながた しげかず) 京都大学大学院医学研究科・教授
成瀬 紀男(なるせ のりお) ㈱プロテイオス研究所(元東レ医薬開発センター)
米山 光俊(よねやま みつとし) 千葉大学真菌医学研究センター・教授
藤田 尚志(ふじた たかし) 京都大学ウイルス研究所・大学院生命科学研究科・教授
瀬谷  司(せや つかさ) 北海道大学大学院医学研究科・教授
山本 三郎(やまもと さぶろう) 日本BCG研究所
笠倉 新平(かさくら しんぺい) 神戸市立医療センター中央市民病院・参与
羽室 淳爾(はむろ じゅんや) 京都府立医科大学・特任教授
淀井 淳司(よどい じゅんじ) 京都大学名誉教授
畠山 昌則(はたけやま まさのり) 東京大学大学院医学系研究科・微生物学講座・教授
竹下 敏一(たけした としかず) 信州大学医学部免疫・微生物学講座・教授
木梨 達雄(きなし たつお) 関西医科大学附属生命医学研究所・教授
本庶  佑(ほんじょ たすく) 京都大学大学院医学研究科・教授
新井 賢一(あらい けんいち) 東京大学名誉教授/SBIバイオテック株式会社代表取締役社長
宮島  篤(みやじま あつし) 東京大学分子細胞生物学研究所・教授
原田 登之(はらだ のぶゆき) 結核予防会結核研究所抗酸菌レファレンス部・部長
高津 聖志(たかつ きよし) 富山県薬事研究所・所長/富山大学大学院医学薬学研究部・客員教授/東京大学・名誉教授
平野 俊夫(ひらの としお) 大阪大学生命機能研究科・医学系研究科・教授
吉崎 和幸(よしざき かずゆき) 大阪大学先端科学イノベーションセンター/徳洲会・教授
岸本 忠三(きしもと ただみつ) 大阪大学大学院生命機能研究科・教授
小林 路子(こばやし みちこ) 元Genetics Institute, Inc. /Wyeth Pharmaceuticals研究開発部門
岡村 春樹(おかむら はるき) 兵庫医科大学先端医学研究所・教授
中西 憲司(なかにし けんじ) 兵庫医科大学免疫学・医動物学教室・教授
義江  修(よしえ おさむ) 近畿大学医学部細菌学教室・教授
田代  啓(たしろ けい) 京都府立医科大学大学院医学研究科・教授
岩倉洋一郎(いわくら よういちろう) 東京大学医科学研究所システム疾患モデル研究センター・教授

目次

まえがき

第1章 プロローグ[宇野賀津子・米原  伸・松島 綱治]
 1 はじめに
 2 インターフェロン研究の夜明け(1954〜1960年)
 3 サイトカイン発見の夜明け-免疫を動かす液性因子の存在(1960〜1979年)-
 4 分子としてサイトカインをとらえる-タンパク質の精製(1970〜1980年)-
 5 臨床応用への道(1970〜1980年)
 6 分子としてサイトカインをとらえる-遺伝子の単離,遺伝子組換え標品の作製(1979年〜1990年)-
 7 ケモカイン(1987年〜1990年代)
 8 そして今
 サイトカインハンティング 年表
第2章 インターフェロン
 1 ウイルス抑制因子(インターフェロン)発見当時の動向 [小島 保彦]
 2 インターフェロン蛋白質の精製と分子種の同定[川出 由己]
 3 インターフェロン遺伝子の発見とその後の進歩[谷口 維紹]
 4 IFN-aのクローニング [長田 重一]
 5 医薬品インターフェロン-βの開発 [成瀬 紀男]
 6 ウイルスRNAセンサーRIG-Iの発見 [米山 光俊・藤田 尚志]
 7 インターフェロン誘導のTLR経路 [瀬谷  司]
 8 CpGDNAの発見 [山本 三郎]
第3章 インターロイキン-2
 1 リンパ球増殖性サイトカインの発見の経緯について [笠倉 新平]
 2 インターロイキンの初めての同定(IL-2の同定) [羽室 淳爾]
 3 インターロイキン-2レセプターa鎖同定とクローニング-ATL〜IL-2R〜ADF/TRX- [淀井 淳司]
 4 インターロイキン-2レセプターβ鎖の同定とクローニング [畠山 昌則]
 5 インターロイキン-2レセプター(IL-2R)γ鎖の同定とクローニング [竹下 敏一]
第4章 インターロイキン-3,-4,-5
 1 インターロイキン(IL)-4,IL-5のクローニング [木梨 達雄・本庶  佑]
 2 DNAXにおけるサイトカインハンティング [新井 賢一]
 3 インターロイキン-3受容体ファミリーのcDNAクローニング [宮島  篤]
 4 インターロイキン-4受容体 [原田 登之]
 5 IL-5ハンティング [高津 聖志]
第5章 インターロイキン-6
 1 インターロイキン-6ハンティング [平野 俊夫]
 2 インターロイキン-6阻害薬による治療と病態解析-岸本グループによる我国初,世界に発信した抗体製薬の開発-[吉崎 和幸]
 3 インターロイキン-6-基礎研究から臨床まで 免疫学40年- [岸本 忠三]
第6章 IL-12とIL-18
 1 IL-12の精製単離とクローニング-Dr. Bice Perussia, MD(1950-2006)への衷心からの哀悼の想いを込めて- [小林 路子]
 2 IL-18の昔と今 [岡村 春樹]
 3 IL-18-Th1とTh2応答を活性化するユニークなサイトカイン-[中西 憲司]
第7章 ケモカイン
 1 ケモカインのプロトタイプ,IL-8とMCAF/MCP-1の発見物語 [松島 綱治]
 2 新規ケモカイン群の発見 [義江  修]
 3 シグナルシークエンストラップ法の樹立とSDF-1クローニング [田代  啓]
第8章 G-CSF, Fas
 1 G-CSFからFasへ [長田 重一]
 2 アポトーシス誘導レセプターFasの発見と同定 [米原  伸]
第9章 遺伝子改変マウス [岩倉洋一郎]
 1 大腸菌分子生物学から哺乳類の発生学へ
 2 IFN,そしてHIVトランスジェニックマウスの作製
 3 サイトカインノックアウトマウスの作製
 4 HTLV-I-トランスジェニックマウスから関節リウマチ発症機構の解析へ

あとがき
参考文献
索  引
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