ホーム > 書籍詳細ページ

大学からの外国語

多文化世界を生きるための複言語学習

田口 紀子 編

A5並製・262頁

ISBN: 9784876984930     正誤表(2016.1.8更新)PDF

発行年月: 2015/04

  • 本体: 2,500円(税込 2,750円
  • 在庫あり
 
  • mixiチェック

推薦

【推薦】山極寿一氏(第26代京都大学総長)
グローバル化時代を生きるためには,世界のさまざまな文化を学んだ上で,人間のあり方を考えていかねばなりません。英語だけでない,様々な言語で自分の見方を構築していくことが求められているのです。

内容

大学で外国語を学ぶ理由は、まず何よりも外国語を学ぶことそれ自体に価値があるからだ。外国語に惚れこみ、自らの研究生命の行く末をその地に定めた研究者たちが、大学新入生に向けて、初学者がつまづく最初の第一歩から、探求の果てに辿りつく文化の内奥まで、外国語学習の魅力を存分に語る。今日から学び始める人のための入門書。

プロフィール

執筆者一覧
(五十音順)
【編者】
田口 紀子(たぐち のりこ)
京都大学大学院文学研究科教授(フランス語学フランス文学)。Ph.D.(パリ・ソルボンヌ大学)。専門はテクスト言語学,小説の形態論。主著に『文学作品が生まれるとき 生成のフランス文学』(京都大学学術出版会,2010年,吉川一義と共編),『身体のフランス文学 ラブレーからプルーストまで』(京都大学学術出版会,2006年,吉田城と共編)がある。

【著者】
内田 健一(うちだ けんいち)
京都産業大学外国語学部助教。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。専門はイタリア文学。最近の論文に「ダンヌンツィオのカリカチュア」(展覧会「ダンヌンツィオに夢中だった頃」論集)など。

エブセエバ・エレナ(EVSEEVA, Elena)
神戸市外国語大学外国語学部准教授。京都大学大学院文学研究科修了,文学博士(京都大学)。ロシア語統語論意味論。専攻はアスペクト・否定・極性表現等にかかわるロシア語学研究。主著に『ロシア語不定代名詞の分布 ―否定が関わった環境を中心に―』(京都大学大学院文学研究科博士論文,2011年)などがある。

海田 大輔(かいだ だいすけ)
京都大学大学院文学研究科講師。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。Ph.D(ダーラム大学)。専門は英語圏の現代哲学(とくに分析形而上学)。物理的世界の中にどのようにしてわれわれの心を位置づけることができるのか,という問題に一貫して取り組んでいる。

金 京愛(キム・キョンエ) 
藤女子大学非常勤講師。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了,文学博士(京都大学)。専門は言語学 (現代韓国語の時間関係形式の体系の研究)。研究活動と並行して,北海道にある藤女子大学で韓国語を教えている。日本語の「〜ている」にあたる韓国語は3つほどあり,その使い分けは難所のひとつなので,学生にも分かるような「真実の説明」をめざしさまざまな方面からのアプローチを行っている。

沢﨑 壮宏(さわざき たけひろ)
文学博士(京都大学),DEA de philosophie(カーン大学)。専攻はフランス古典期(17世紀&18世紀)の哲学。「テクストの説明」(本文参照)の手法に訴えながら,哲学教育におけるアクティヴ・ラーニングの実質化を目論んでいる。

鄭 賢珠(ジョン・ヒョンジュ)
ソウル大学校歴史研究所客員研究員。京都大学大学院文学研究科博士課程修了(歴史文化学専攻),文学博士(京都大学)。主な研究は,日本近代教育政策をめぐる権力構造,文部省廃止論,高等教育史。現在は,文部官僚や文部省直轄学校関係者の日記やエッセイなどから,近代日本の高等教育政策をめぐる人的ネットワークと活動を研究している。

周藤 多紀(すとう たき)
京都大学大学院文学研究科准教授。文学博士(京都大学),Ph.D (セントルイス大学)。専門は西洋中世哲学史。主著にBoethius on Mind, Grammar and Logic (E.J. Brill, 2012)がある。

高田 良太(たかだ りょうた)
駒澤大学講師。京都大学文学研究科博士後期課程修了。中世の地中海におけるヴェネツィアやギリシャ人の活動を研究している。大学での研究や授業は歴史に関わることが中心だが,学生とギリシャ語を勉強することも。

二宮 美那子(にのみや みなこ) 
滋賀大学教育学部准教授。京都大学大学院博士後期課程研究指導認定退学,文学博士(京都大学)。中国古典文学専攻。庭園を描いた古典詩文を読み,士太夫の「隠逸」と「閑適」をめぐる表現について考察している。勤務先の大学では,教職を志す学生に,漢文を教えている。

橋本 知子(はしもと ともこ)
京都女子大学非常勤講師。京都大学文学研究科卒。文学博士(パリ第八大学)。専攻はフランス19世紀文学。リアリズム小説の美学について研究している。

早瀬 篤(はやせ あつし)
京都大学大学院文学研究科非常勤講師。文学博士(京都大学),Ph.D(ダーラム大学)。専攻は西洋古代哲学史。プラトンの哲学的問答法を中心として研究を行っており,またその影響下で成立した西洋古代の学的方法全般に関心をもっている。

前田 広幸(まえだ ひろゆき)
奈良教育大学教育学部教授。専攻は音韻論。アクセント・イントネーションを中心とした韻律音韻論研究を行っている。主要論文に「『和魯通言比考』序言(全訳)」大阪女子大学国文学科紀要『女子大文学(国文篇)』43号(1992年)などがある。

山下 和也(やました かずや)
愛知大学法学部准教授。京都大学文学部文学研究科博士後期課程単位取得退学。ボン大学哲学科修了。哲学博士(ボン大学)。専攻はカント哲学,オートポイエーシス論。カント哲学の研究およびオートポイエーシス論の哲学への応用研究に取り組んでいる。

目次

はじめに[田口紀子]

I. グローバルに学ぶ,ローカルに学ぶ
第1章 ギリシャとギリシア ―少数言語が拓く世界[高田良太]
第2章 学問を変えるグローバル言語,英語 [海田大輔,周藤多紀]
コラム 「学術論文を書くための英語力を身につけよう」[早瀬篤]

II. 「鏡」にうつす,「鏡」と溶け合う
第3章 中国語から,広がる世界[二宮美那子]
第4章 韓国文化への招待―ことばの日韓比較[金京愛,鄭賢珠]

III. 見果てぬ「他者」を求めて
第5章 フランス語とともに生きる ―オルタナティヴな学術を求めて[沢﨑壮宏,橋本知子]
第6章 ドイツ語ノススメ―入門から留学まで [山下和也]
第7章 外国語は命綱 ―イタリア語をめぐる冒険 [内田健一]
第8章 「文法」から世界を透視する ―ロシア語とロシア文化[エブセエバ・エレナ,前田広幸]

IV. 教材・留学情報
ギリシャ語 / 英語 / 中国語 / 韓国語 / フランス語 / 
ドイツ語 / イタリア語 / ロシア語

おわりに
執筆者一覧
このページの先頭へ